福岡県田川市の池口芳幸環境政策課長が、田川市長選の投開票日となった23日、50人以上の同窓生が参加するグループラインに、3選を目指しながら落選した二場公人氏への投票を呼び掛けるメッセージを送っていたことが分かった。地方公務員法と公職選挙法に抵触する可能性がある。(*「環境政策課」は今年3月まで「環境対策課」)
■公選法上の問題点
池口課長は田川市長選挙の投開票が行われた23日の午後4時過ぎ、高校の同窓生55人が参加するグループラインに、現職の二場公人氏に投票するよう呼びかける投稿(下の画像)を行っていた。
【その1】
選挙運動の一環である「投票依頼」が行えるのは、選挙期間中だけ(公選法第129条)。田川市長選挙の場合は告示日の4月16日から最終日の22日までだった。従って、池口氏の投票依頼自体が、公選法に抵触する可能性がある。
【その2】
公選法は、公務員の地位利用による選挙運動を禁止しており(公選法136条の2)、池口課長が投票依頼を行った同窓生の中に、職務権限に関係する立場の同窓生がいた場合には違法性が問われることになる。
■地方公務員法上の問題点
地方公務員法は、政治的公平性を担保するため公務員の政治的行為を制限しており、「公の選挙又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動をすること」を禁じている(地方公務員法第36条)。池口氏の投票依頼が、地位利用に該当する可能性もある。
■業者との癒着、疑われる人物
24日、池口課長に話を聞こうと田川市役所の環境政策課に電話したところ、午前から午後にかけて「席をはずしております」という対応。職員は取材の趣旨を伝えたというが、終日待っても連絡はなかった。問題の投票依頼は、ハンターが取材に動き出した直後に削除されているという。
池口課長を巡っては、2021年5月に実施された「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務委託」の業者選定プロポーザルで審査委員を務めていながら、選定1位となった早雲商事(田川市)が昨年1月に開催したゴルフコンぺの会場を予約した上、自身もコンペに参加していたことが判明している。