鹿児島大学大学院(消化器内科)の教授選挙を巡り、副学長らが結果に異論を唱え、同調したとみられる学長が選考のやり直しを命じた可能性があることが分かった。
教授選が行われたのは昨年12月。井戸章雄現副学長の後任を選ぶための選挙には鹿大の准教授を含む3人の医学者が立候補。選考の結果、教授会は九大出身の人物を次期教授に選んでいた。
しかし、佐野輝学長は選任手続きを行わず、たな晒しの状態が続いていたため、関係者から疑問の声が上がる事態に――。ハンターに寄せられた内部告発文や大学関係者によれば、結果を不服とする井戸副学長サイドが教授会の決定に異を唱え、学長が教授選考のやり直しを命じた可能性があるという。
教授は教授会において投票・選考されることが明確に規定されており、学長といえどもその決定を覆すことは明らかな越権行為。九大関係者も呆れており、九大VS鹿大の争いになることを危惧する声さえ出ている。
人事抗争が演じられているのは「国立大学医学部」。学閥優先で物事を進めているとすれば、学生や患者を無視した愚行であると言わざるを得ない。鹿大の関係者からも「このようなことが起こることは、鹿児島大学の権威を貶めることに外ならず、国立大学として持つべき透明性が欠けている」と現状を嘆く声が寄せられている。
15日、鹿児島大学の広報に事実確認を求めたところ、同大側は「学内の人事についてお答えすることはできない」としている。