税金泥棒「鹿児島県警」の狂態

警察組織の良心にかけてみようと考えたハンターの記者が愚かだった。

不当な捜査指揮で強制性交事件の実相をねじ曲げた鹿児島県警が数十件分もの捜査資料=『告訴・告発事件処理簿一覧表』を流出させながら事実関係を公表せず隠蔽を図ろうとしている問題で、担当幹部に組織としての方針を聞いた上で入手した漏洩資料を提供しようと試みたハンターの申し出を県警側が拒否。1時間近く待たせたあげく、面会にさえ応じなかった。

情報漏洩の事実が広く知られることを恐れるがゆえの狂態。個人情報はもちろん、安全・安心さえ守ってもらえない鹿児島県民は不幸というしかない。

◆   ◆   ◆

“お聞きしたいことがある”――先週21日、ハンターの記者は鹿児島県警本部を訪れ名刺を出し、刑事部刑事企画課の理事官に面会を求めた。10分ほどロビーで待たされたところで受付の女性が「取材ですか?」と確認してきたため、“取材ではなく、記事化もしない”と回答。そこからさらに15分以上待たされた。

次に「刑事部企画課の者です」と言いながら現れたのは二人の人物。取材かどうかの確認だという。30分近く待たせておいて、同じことの繰り返しだ。“取材ではないと断ったはず”というが、納得した様子ではない。

さらに待つこと10分。件の二人が来て「やはり、取材ということで、総務課が対応します」と言い出した。こうなると「刑事部企画課の者です」という最初の話も怪しくなる。“あなた方、お名前は?”と尋ねたところ、「我々には、それも答えていいかどうかの判断もできません」という答えが返ってきた。この連中、警察官である前に社会人としての礼儀さえ知らない。

さらに10分後、「刑事部企画課の者」を自称する二人組に「総務課」だという別のふたりが加わって4人が記者と向き合った。総務課の二人は「取材と判断した」と言い張ってきかない。やむなく来訪の意図を告げた。

“県警として情報漏洩の事実を公表し、謝罪する意思はあるのか。あるのなら漏洩の証拠となる資料の写しを提供し、調査に協力する”ーー入手した文書の綴り(*下の画像)をみせて説明したが、県警側は「取材依頼書を書け」として主張を変えようとしなかった。不誠実さに呆れるしかない。

ハンターの申し出を受けた時点で情報漏洩を認めたことになるのは確かだ。認めて流出資料を受け取れば、県民向けの会見を開かざるを得ない。数十件もの捜査資料が流出したのだから当然だろう。すると強制性交事件における不当捜査の実態まで認めざるを得なくなる。責められるのは不当捜査の指揮を執った鹿児島中央署の元署長で現在は刑事部長を務めている井上昌一氏。同氏は、退任する3月までこの問題を隠し通し、『なかったこと』にするものとみられている。

腐った組織に腐った警察幹部――。県民の安心・安全より「警察一家」の都合を優先させる鹿児島県警は、まさに税金泥棒だ。前稿《腐敗組織・鹿児島県警への警鐘》で述べた通り、入手した「告訴・告発事件処理簿一覧表」に記載のある人物や法人を確認し、情報漏洩があったという事実を告げた上で、記載内容の確認を求めていく。

 

 

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