今月3日以降、各地で記録的な豪雨となり九州から岐阜、長野などの中部地方にまで大きな被害が出ている。雨が続くなか復旧作業が続けられているが、家財道具などの片づけに追われる被災地の住民を相手にした詐欺まがい商法が確認され、各地の自治体が注意を呼び掛ける騒ぎとなっている。
大分県日田市内の被災した家屋で発見された1枚の貼り紙。業者が貼ったと思われる紙には、「倒壊の危険性があります。危険度4」と大きな文字が記載されていた。解体工事や修繕工事を促すような内容で、業者の連絡先と共に「他社よりも10%OFF」という営業文句まで添えられている。(写真は日田市HPより ※業者名や連絡先は墨塗り)
日田市が問題視するのは危険度の判定内容で、信頼できる判定内容かどうか確認が取れていないのだという。市では災害発生時、「応急危険度判定士」の資格を有する職員が危険度判定を行っており、貼り紙に記載されていた業者の登録は確認できなかったとしている。こうなると、かなり怪しい話で、豪雨被害に付け込んだ便乗商法と言えるだろう。
各自治体では、実際に解体や補修工事を依頼する場合は複数の業者から見積りを取ることを勧めているが、今回のケースのように他社の見積り額も確認せずに「他社より10%安い」と表現することは不可能。被災者の不安をあおり、営業文句で注文を取ろうという業者の意向が透けて見える。
市は、9日昼頃に被災した市民からこの貼り紙についての相談があり、現地周辺を確認したところ、同様の貼り紙が13枚発見されたことを明らかにしている。
市の担当者は「荷物の片づけに追われて、今の段階では解体や補修まで依頼する余裕がないのが現実。被災された住宅について危険度判定を希望される方は、まず市までご連絡ください」と話している。⇒https://www.city.hita.oita.jp/kinkyu/11098.html
なお、福岡県でも修理や火災保険、義援金などに関する豪雨災害での便乗商法に注意を促している。⇒https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/saigai-akushitsu.html
(東城洋平)