裏金事件「無反省」の証明|片山さつき参院議員、武田良太衆院議員が相次ぎ政治資金パーティー 

今も激震が続く自民党の裏金事件によって麻生派を除き、すべての派閥が解散を余儀なくされた。「キングメーカー」と称された二階派の二階俊博元幹事長は政界引退。我が世の春を謳歌してきた安倍派も、5人衆をはじめとする幹部が離党勧告や党員資格停止となり、事実上消滅した。政党支持率も、内閣支持率も沈んだままの自民党政権。しかし、「反省」「出直し」は言葉だけのようだ。

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裏金事件を受け、岸田文雄首相が打ちだした政治資金規正法改正案は、公明党と日本維新の会の主張を取り入れたことで、今月の早い時期に衆議院を通過する見込みだ。

これまで20万円超だった政治資金パーティー券購入者の公開基準を5万円超に引き下げるというのが公明党の案。維新は、10年後の政策活動費の領収書公開案を提示し、岸田首相が譲歩した。

要するに、不透明な政治資金パーティーの収支を明朗にしていくというもの。だが、一番問題の「企業団体献金」には手を付けないという“折衷案”で結末を迎えそうだ。

政治資金規正法の改正が大詰めを迎えるなか、5月31日夕刻、大阪市阿倍野区の施設に大勢の人が集まっていた。自民党の片山さつき参議院議員が、大阪で《片山さつき関西スタートアップセミナー》と称する政治資金パーティーを開催したのだ(*下の写真)。

ある参加者がこう話す。
「参議院全国比例の片山さんは過去にも何度か関西でパーティーを開催しています。コロナ禍も過ぎ、新たに関西からスタートということで講師を呼んでのセミナーのような感じでした。少なくとも500人は来ていたのではないでしょうか。自民党に批判が強い中のこと、仕方なく参加した人たちからは『よくやるな』という声が上がっていました。」

片山氏が参加者に配布した案内には《自民党には今までにない厳しい向かい風が吹いていますが、自民党の強みはビジネスフレンドリーな経済金融政策です》《『もうかりまっか?』マインドの出番ですから!》などと記してある。円安が急速に進み、税金と社会保障費の負担の割合、国民負担率が増すばかりの日本のどこがフレンドリーなのか片山氏に聞いてみたいところだ。『もうかりまっか?』に至っては、完全にズレているとしか言いようがない。

案内によれば、パーティー券は相場の2万円ではなく1万円。飲食はなく、セミナー形式で実施されたためと思われる。ちなみに「お土産」は片山氏の著書。参加者は「ゴーストライターが書いたなと一目でわかるようなプアーな内容で、即、ゴミ箱行き。こんなパーティーに1万円なんてね」と呆れ顔だった。

自民党は裏金事件を受けて、派閥のパーティーを禁止するように求めている。だが、議員個人のパーティーは禁止していない。「抜け穴」である。

片山氏は、派閥解散前の安倍派に籍を置いていたが、その前は二階派。裏金事件の中核派閥ばかりを渡り歩いてきた形だ。旧安倍派のある衆議院議員が、次のように嘆く。
「派閥は解消されたので、パーティーのやりようがない。ただ、議員個人のパーティーはみんなどんどんやっている感じ。ただ、野党の立憲民主党などもパーティーをやろとしてたわけで、自民党ばかりが責められるのはどうなのか。ただ、あれだけ大きな裏金事件を起こしたのは我が党だから、逆風は仕方がないのかな」

世間の厳しい視線などどこ吹く風と、今月11日に政治資金パーティーを計画していたのが武田良太元総務相だ。ハンターが独自に入手した資料によれば、パーティーは都内のホテルで朝8時から。《武田良太政経セミナー 第25回 「朝食会」》というタイトルで開催するという。

武田氏は8月2日にも福岡市内のホテルで《武田良太政経セミナー》を開催するとして案内を送付していたが、こちらは「AERA dot.」に察知され、中止に追い込まれている。

武田氏は、検察捜査の対象となった旧二階派の事務総長。5年間で1,926万円を記載しなかったことで、党から役職停止処分を言い渡されている身だ。その処分中にパーティーを行うというのだから呆れるしかない。

AERA dot.によれば、取材に対する武田氏側のコメントは、《6月11日に開催する朝食会は講師をお招きしての定例勉強会です。昨年から日程を決めており、ご案内もすでに済ましている関係上、混乱を避けるためにも政治資金規正法等の法令に基づいて適正に対応してまいります。また、8月2日に福岡市内で開催予定のパーティーは中止させていただきます。今後も引き続き、法令遵守の徹底に努めてまいります》、《中止は(AERA dot.の)質問書を受け取ってから決めました。理由ですか? 総合的に判断した結果です》――要するに、メディアに叩かれそうになったから、あわてて裏金事件後に設定した8月分は中止を決めたということだろう。「総合的に判断」というのはまさに詭弁だ。

武田氏の資金管理団体「武田良太政経研究会」の政治資金収支報告書によれば、2022年には4回のパーティーを開催。うち朝食会形式のものは3回で、合計1億円を超す収入を得ていた。残り1回のパーティー「たけだ良太くんを励ます会」の売り上げは8千万円超。自民党の中でもトップクラスの収入だった。

「旧二階派の議員たちをつなぎとめるため政治資金が必要な武田さんにとって、パーティー中止は痛いでしょうね。まあ、大金持ちだから1回くらい中止でも大丈夫なんでしょうが……」(ある自民党の幹部)

自民党が反省していると信じている国民は、皆無に近いはずだ。

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