【怒れ!大任町民】永原町政、血税私物化の実態(下)|ペーパーと側近業者、4年2か月で町発注工事の6割超・約43憶円を独占
昨年、福岡県大任町はハンターとの裁判に負け、それまで隠していた2017年度から2021年6月までの公共工事入札結果を開示した。4年2か月間の発注件数は372件、総額は68億8,617万2,000円に上る。開示された入札結果表を精査した結果、このうちの6割以上の工事を実態のないペーパー業者と側近業者が占めるという、異常な建設行政の実態が浮かび上がった。その他のほとんどの工事にしても、受注しているのは永原氏が主導する談合組織「田川政策研究会」の会員業者だとみられている。国民の血税が永原暴力町政の資金源となり、福祉や子育て、水道料金などに回せるはずの予算が、無駄に費消されている可能性が高い。
■4業者が利益独占か
長々と説明する必要はあるまい。これまで報じてきたように、たった4年と2か月の間に、建設資材どころかスコップの1本さえ保有していないペーパー8業者が全体の約36%の工事を受注。実際の工事は、別の永原系の業者に丸投げしていた(既報1)。
4つの側近業者の工事受注率は全体の約27%だが、ペーパー業者が落札した工事の下請けとして実務を担い、表面化しにくい「利益」を得ていたとみられている(既報2)。
下の表にまとめた通り、ペーパー業者と側近業者の工事受注率は合わせて約63%。酷い年は、7割近くの町発注工事を独占していた。
金額でいけば、372件・68億8,617万2,000円の発注工事のうち、187件・42憶9,599万3,000円をペーパーと側近の12業者で占めていた計算になる。異常という他ない。
■失政の証明
町発注工事に多額の税金をつぎ込み、業者を手なずけというのは古い首長の政治手法だ。たしかに建設業関係者は潤うが、大任町の場合は利を得る業者がたったの12業者。それも多額の利を得ているのは永原町長の側近らが代表の4業者に過ぎない。いびつな建設行政がもたらすのが“暗い未来”であるということに、大任町民は気付くべきだろう。
かつて炭鉱で栄えた筑豊地域の地盤沈下は激しく、域内の人口は減り続けてきた。政治や行政に求められているのは新たな産業や事業、そして未来への希望の創出だが、大任町でそうした施策は何一つ実行されていない。道の駅に1億円のトイレを作ろうと、1個4,000円のケーキを町民にばら撒こうと、町は活性化しないのだ。その証拠が下のグラフ。
永原氏が町長に初当選したのは2005年。住民基本台帳や国勢調査などデータの出典によって若干違うものの、人口減少に歯止めがかかるどころか減る一方であることは確かだ。これは「失政」の証しでもある。
建設行政やし尿処理行政を私物化し、自分の義弟が選挙で負けた田川市の市長や市議らに難癖をつけ、身勝手な理屈を並べて争いの種をまき続ける永原氏――。大任町民は、いつまで彼の独裁を許すのだろうか?