日本最北の長期刑者収容施設「旭川刑務所」は21日午後、同所に勤務する刑務官1人の新型コロナウイルス感染を発表した。感染経路などはわかっていない。
同所によると感染が確認されたのは、おもに夜勤などに就く20歳代の男性刑務官。7月14日に下痢症状があり、その日のうちに快癒したものの、4日を経た同18日の夕食時に味覚・嗅覚の異常を覚え、同日から自宅待機していた。上司の指示により同20日に市内保健所でPCR検査を受けたところ、陽性が判明、現在は指定医療機関に入院している。発熱などの症状はないという。
北海道内の刑務所などを監督する札幌矯正管区によると、管内の感染報告は4月15日に月形刑務所の男性刑務官の感染が確認されて以来2人目。いずれも感染経路などは特定できておらず、今回の旭川の刑務官についてはいわゆるクラスターが発生した場所への出入りなどもなかった。施設では日常的に手指消毒や検温、マスク着用などの対策を徹底していたといい、現在は濃厚接触者の特定を急いでいる。
村山智浩所長のコメント
「当所から新型コロナウイルス感染者が発生したことは、非常に残念です。所要の感染症対策をさらに徹底して参ります」
(小笠原淳)
【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】 ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。 北方ジャーナル→こちらから |