参政党の正体(2)

6月の東京都議選に続いて参議院議員選挙でも歴史的な敗北を喫した自民党。一方、大躍進したのは神谷宗幣氏が率いる参政党だ。都議選で3議席を得た勢いをそのままに、参院選でも躍進した。

そうした中、都議選告示後の6月中旬に作成されたA4サイズ8枚程度の『調査・分析報告書』というタイトルの資料を入手した。作成者はある政府機関とみられ、参政党と日本保守党という極右新興勢力への警戒感からか、両党の内側について詳しく書かれている。特に参政党に関する記述は的を射ている。

◆   ◆   ◆

報告書では参政党について、《都議選、参議院選挙でも候補者を積極擁立》《躍進の可能性が十分》などと予測。日本保守党に関しては《内紛が続く》《党のガバナンスがまったく機能していない》となっている。今回の参院選の結果からみても、報告書にはそれなりの確度があると思われる。

「日本人ファースト」を合言葉に一大ブームを巻き起こした参政党だが、負の側面が大きいようで、そこに多くのページを割いている。

《キャッチコピー「日本人ファースト」は「選挙用」と神谷氏が党内で発言》《他のコピーより、受けたため採用》と記されていることから、選挙に勝つための「日本人ファースト」だった可能性がある。また、《危険性を秘めている》として多くの記述がある。その一部を抜粋する。

《(神谷氏の)愛読書はヒットラー、我が闘争》

《将来は第2の創価学会を目指すと神谷発言。その手法で国会で多数の議席を得る》

《創価学会の2世、3世信者と参政党の関係》

《原爆が広島と長崎に投下された。そこで原潜を建造、核保有の有無は隠す》

《統一教会(世界平和統一家庭連合)への度を越えた攻撃は許されない。統一教会は保守であると擁護発言》

《そのメンバーの支援活動を確認。SNSでも拡散》

《国会主権を廃止する。(憲法に)国家主権を明記と主張》

また、不透明な国有地払い下げ問題で注目されてきた森友学園・籠池泰典氏との関係についても次のような記述がある。

《神谷氏の妻は森友学園の事務員と籠池氏が発言》

《神谷氏の親族が、森友学園の極右的発想で、子ども関連施設を運営》

《籠池氏が神谷氏の【金の執着】をネット番組で発言》

参政党とカネの関係についてはすでにハンターで報じた通りだが(既報)、問題の『報告書』では、すでに6月の時点で《参政党の経済力》として複数の実名をあげながらこう記している。

《マルチ商法、新興宗教グループとの深い関係に警戒》

《神谷氏自身が会社を経営し、参政党→神谷氏自身の会社という資金還流を確認》

参政党では、神谷氏の「独裁」が続いているとされ《過去、参政党にゴレンジャーという有力者で運営されていたが、すべて外された。「神谷氏が自身の独裁を続けたいがため、台頭する者にいきなりハシゴを外すのが手法」と元幹部から聞き取り》となどと明かしている。

その上で《自民党の右派で、落選中の者が参政党にアプローチする者を複数人、確認。さらに勢力拡大も見込め(中略)要警戒》《選挙結果次第では、自公連立に参政党という政局も検討の余地》と今後の政局への影響にまで言及していた。

報告書の記載内容に間違いがないことは、同党の躍進が伝えられるなかで週刊誌など複数のメディアが報じた記事でも証明済みだ。主張の真偽も確認せず、危険な極右政党に14もの議席を与えた有権者の責任は重い。

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