日本維新の会の藤田文武共同代表が公設秘書の会社に印刷を請け負わせ、その代金約2,000万円を調査研究広報滞在費や選挙運動費用収支報告書から支出していた問題を巡り、同党の総務会長を務める高木佳保里参議院議員(大阪選挙区:当選2回)にも新たな公金還流疑惑が浮上している。
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「しんぶん赤旗日曜版」や「週刊文春デジタル」によると、高木氏の政党支部「日本維新の会参議院大阪府選挙区第3支部」(以下、「第3支部」)と資金管理団体「福保会」は、同氏の政策秘書K氏が経営する「堺上グループホールディングス」「Kaijo」「グローバルキャリアデザイン」の3社に対し、2016年から25年にかけて2,800万円あまりを「家賃」「街宣車駐車場代」「街宣車保険料」などという名目で支出。支出原資の大半を政党助成金や調査研究広報滞在費で賄っていた。K氏の会社に対する税金還流だ。
高木氏側両団体の政治資金収支報告書に記載された「支出」を見ると、毎年、堺上グループホールディングスやKaijoの名前がずらりと並ぶ。
23年の第3支部報告書では、支出が134件ある中で、K氏関連の会社が62件と半分近くにのぼる。うち「グローバルキャリアデザイン」に段ボールケース代として134,640円、調査研究広報滞在費から18万円あまりを支払っていた。グローバルキャリアデザインの法人登記簿を確認したところ、同社の取締役に高木氏本人が就任している。

つまり、高木氏は政策秘書が社長、自身が取締役の会社に税金から支出をして売り上げに貢献しているということだ。タチの悪い公金の「還流」である。
堺市議だった高木氏は、2016年の参議院選挙に打って出て初当選。22年の参議院選挙で再選され、現在は2期目だ。今年8月、維新の役員改選で党の総務会長に抜擢されたばかりである。堺市議時代は、自民党所属だった高木氏。維新の元代表、馬場伸幸衆議院議員の声掛けで国政に転じたという。その間の経緯を、高木氏の後援者が次のように語る。
「高木議員の事務所のある場所は、馬場さんの親族が日本料理店を経営しており、いわば地元の中の地元。当時、維新は参議院選挙の大阪選挙区で定数4のところ2人の擁立を狙っていた。そこで、馬場さんは高木さんを引き抜き、当選させた功績もあって維新の幹事長から代表とステップアップした」
高木氏は今月10日にアップされた「高木・新実の維新ニュース」というYouTube動画で、藤田氏の公金還流について「道義的にどうなのか、どこで線を引けばいいのか。日々悩ましい」と述べた上で、「公金は適正な使い方をするということで、我々の意識の問題。気を付けていかなくてはいけない」と他人事のような発言。裏では自身の秘書K氏が社長で自らが取締役の会社に、税金を使って利益をあげさせていたのだから開いた口が塞がらない。
第3支部と福保会の政治資金収支報告書を見ると、政策秘書のK氏は高木氏の両団体の会計責任者だ。前出の後援者は、そのK氏の「勤務実態」について、「Kさんは不動産など複数の会社を経営しており、地元の経済団体の幹部でもあります。非常に多忙な人物で、普段は高木氏の事務所で姿を見ることはない。政策秘書なんてやっている暇はないはずだが……」と疑問を呈する。さらに、「事務所以外の場所では、高木とKさんの親密そうな場面をよく見てきました。地元では『そういう関係なんだ』と感じている支援者が結構いますよ」と声を潜める。
ある維新の国会議員は、「高木さんとK秘書の関係性は何度も耳にしてきました。自民党との連立が視野に入ってきた頃から、『高木を起用していいのか?身体検査されると問題が出るぞ』という声さえあったほどです」と話す。
維新の所属議員を巡るスキャンダルは、枚挙に暇がない(既報)。吉村知事も、同党が「スキャンダルのデパート」などと揶揄されていることを対外的にも認めている。それを自覚しながら、危ないと噂されていた高木氏を総務会長にあてて、さらなるスキャンダルに見舞われたのだから事態は深刻だ。
維新と連立を組んだ自民党幹部はこう嘆く。
「維新が多くのスキャンダルを抱えていることをわかった上で、背に腹は代えられないと連立を組んだ。しかし、いきなりトップの藤田共同代表が大炎上。ようやく、沈静化するかと思っていたら、今度は高木さんのスキャンダル。党内からは『維新との連立は失敗だった。頭を下げて公明党に連立復帰してほしい』との声しきりだ」
カネにまみれた自民党にも大きな問題があるのは間違いない。ただ、維新は自民党のように独自でカネが集められないので、税金をテコにカネ儲けに走るのが現状だ。「与党にしてはいけなかった」と自民党内からあがる維新への評価。遅しに失したと思うが……。















