北海道・わいせつ警官に停職処分|つきまといの挙句に暴行・恐喝

北海道警察は9月16日、函館西警察署に勤務していた男性巡査部長(41)=のち退職=を「停職1カ月」の懲戒処分とし、同日付で発表した。元巡査部長は7月下旬、わいせつ目的で30歳代の一般女性に暴力をふるうなどし、暴行・脅迫の疑いで8月1日に逮捕、同21日に強制わいせつ未遂で起訴されている。

■女性の個人情報を無断で照会

函館地方検察庁の起訴状によると、元巡査部長は本年7月27日夜に被害女性の自宅敷地内へ侵入、帰宅した女性の肩を掴んで自家用車に体を押しつけ「大声を出すと殴るぞ」などと脅した。女性が大声で助けを呼んだため、わいせつ行為は未遂に終わったという。

元巡査部長は犯行日の少なくとも6日前からストーカー行為に及んでいたといい、勤務中にも女性の個人情報を無断で照会し続けていた。道警によれば、目的外照会は2017年1月から本年7月までの3年半の間に12回あったことが確認されており、元巡査部長の当該女性への異常な執着心を窺わせる。

道警は8月の逮捕時、「被害者の方に深くお詫び申し上げるとともに、道民の皆さまの信頼を損ね、重ねてお詫び申し上げる」とのコメントを出しつつ、元巡査部長についての捜査を続けていた。

今回の処分にあたって同本部監察官室は「さらなる倫理観の醸成をはかり、職責の自覚を徹底させ、信頼回復に努める」としているが、元巡査部長の身柄を改めて拘束するには到っておらず、ストーカーとなった警察官の再犯を防ぐ考えには乏しいようだ。

■身内に甘い道警の対応

停職1カ月という処分について、札幌の報道関係者は「悪質な事案なのに制裁が甘すぎる」と呆れ、地元・函館の記者も「本当に処分が軽く、ひどすぎる」とかぶりを振る。

道警では本年上半期、児童買春・児童ポルノ所持で逮捕された別の巡査部長を「停職6カ月」の懲戒処分とし、また酒気帯び運転で検挙された警察官を「戒告」の処分としており(※ 同時期に児童買春した教員は「免職」、酒気帯び運転した教員は「停職」)、ほかの公務員よりも制裁が軽くなる“警察特権”の存在が改めて疑われている。

強制わいせつ未遂事件の初公判は今月下旬、函館地裁で開かれる予定。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。
北方ジャーナル→こちらから

【訂正】本稿では当初、巡査部長が在宅捜査を受けていたという記述になっていましたが、その後の取材で強制わいせつ未遂事件が身柄送検されていたことがわかり、初公判時点で本人が拘置施設に勾留されていることが確認できました。確認不足をお詫びし、本稿をもって『元巡査部長についての捜査を続けていた』と訂正させていただきます(2020年9月28日、16:00修正)。



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