【緊急事態宣言の波紋】福岡大学、「入構禁止」でも学費は満額請求

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて安倍政権が「緊急事態宣言」を発令した7日、九州最大の学生数を誇る福岡大学(福岡市)が、ホームページや関係者へのメールなどで当面の方針を発表した(*下は学生が受け取ったメールの画面)。

すべての福大生に送られてきた大学からのメールに記されていたのは、『学内への入構を禁止する』という厳しい表現だった。

同学からのメールを受け取った学生は、不愉快そうに顔を歪めた。

「『学内への入構を禁止する』――こんな言い方ありますかね?お客扱いしろとは言わないけど、学費払ってんだから、もう少し違う表現があるでしょうに」(文系3年生)

たしかに、基本方針の表現には違和感を覚える。学生はさらに、基本方針に示された『遠隔授業』についての疑問を口にする。

「遠隔授業って、つまりパソコン、インターネットを利用してということですかね。パソコン待っていない学生、どうするんだろ。具体策はこれからか……」

■他大学は穏当な表現

ちなみに、7日夜の段階で福岡市内の他大学はどのような情報発信を行っているのか、それぞれの大学のホームページで確認してみた。

まず、九州大学。非常に柔らかな表現で、学長が学生をはじめとする関係者に呼びかける内容だ。

現在の段階では、大学閉鎖までは行いませんが、本学としては、学生の皆さんがキャンパスに立ち寄る機会もできるだけ少なくしたいと考えております。このため、年度当初の様々な行事、手続等についても実施時期や方法の変更を行うとともに、課外活動についても、当面の間禁止することといたしました。学生の皆さんには、webの活用等により在宅における教育研究活動を進めていただきたいと思います。今回の緊急事態宣言を踏まえ、皆さんそして皆さんの周りにおられる方々の健康を守るべく慎重な行動を取るよう改めてお願いいたします。

次に西南学園大学。「緊急事態宣言を受けての本学の対応(案)」には、「大学の施設利用を停止又は制限します」とある。学生についての指示は『大学施設の使用を原則として停止するただし、使用の必要がある場合は、別途使用を認める』となっていた。うまい表現と言うしかない。

 

■先行き不安の学生のもとに学費の請求書

大学から居丈高に「入構を禁止する」と命令された学生のもとにはこの日、学費の納付書が送られてきていた(下、参照)。入構は禁じるが、学費は決められた期間内に満額払えというわけだ。

前出の福大生は、このタイミングでの学費請求に「お値引きなしの通常価格に二度びっくり」したという。

「学校には来るな。授業は遠隔。僕ら文系だからいいけど、理系の人たちはどうなのかな。実験とかできないだろうし……。学費だけは全額払えって。福大らしい話だけど」

緊急事態宣言は出されたが、福岡県は大学に対する活動自粛や施設閉鎖の要請を見送る方針で、当面の方針決定は各大学に委ねられた格好だ。いち早く大学としての厳しい姿勢を示す狙いがあったのだろうが、たしかに『入構を禁止する』という表現は穏当とはいえまい。そこに学費の納付書では、タイミングが悪かったと言うしかない。大学に「自治」があるのは確かだが、強権的な福大の姿勢に、疑問を感じている学生や親は少なくあるまい。



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