北海道警察は13日午後、職員1人の懲戒免職処分を決め発表した。本年の道警の免職処分としては3件めとなる。
処分を受けたのは、北海道内の警察署に勤務する20歳代の男性巡査。発表によると巡査は、本年10月3日に大麻を譲り受けるなどしたという。大麻所持はあきらかに法令違反だが、発表では逮捕・送検の有無など捜査の概要は明かされていない。道警本部監察官室は、同日付で次のような謝罪コメントを発表した。
事実に基づき厳正に処分しました。道民の皆さまからの信頼を損ねたことをお詫びしますとともに、職員に対しさらなる倫理観の醸成を図り、職責の自覚を徹底させ、信頼回復に努めて参ります。(北海道警本部監察官室)
本年の道警の免職処分としては、カード詐欺で起訴された30歳代の男性巡査部長が3月に、また交通違反を捏造した50歳代の男性警部補が11月に処分されたのに続き、これで3件め。薬物事件での処分は本年初となり、今後の捜査や裁判の行方が注目されるところだ。
大麻所持から1カ月以上を経ての処分発表となった理由は、定かでない。発表日は奇しくも、北海道で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最高を更新すると見込まれている。報道各社が免職処分のニュースをどの程度の大きさで扱うことになるのかも、今のところ未知数だ。
(小笠原淳)
【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】 ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。 北方ジャーナル→こちらから |