刑務所で初の「クラスター」|北海道・月形で5人感染

本年4月に刑務官1人の新型コロナウイルス感染を確認した北海道・月形刑務所が11月18日、新たに受刑者ら5人の感染が発生したことを発表した。国内の矯正施設としては初めてクラスター(集団感染)形成が確認されたことになり、同所は感染者を隔離するなど改めて感染拡大防止をはかっている。

■ウイルス侵入経路は不明

月形刑務所によると、感染が確認されたのは30歳代の刑務官1人と30~40歳代の受刑者4人で、いずれも男性。11月13日に受刑者の1人が咽頭の痛みを訴え、週明けの同16日に抗原検査をしたところ、新型コロナウイルス陽性が判明した。これを受け、同受刑者が刑務作業にあたっていた一般工場の関係者らにPCR検査を実施、17日までにさらに4人の感染を確認した。

感染した職員は現在、自宅待機となっており、受刑者4人はいずれも施設内で隔離処遇中。5人のうち、最初に症状を訴えた受刑者を除く4人は無症状という。工場での刑務作業は休止となったが、一般の面会や差し入れなどはとくに制限していない。当該工場や居室、入浴場などはすでに消毒・殺菌を終えているという。

施設では日ごろからマスク着用や換気などの対策を徹底していたといい、今回ウイルスが侵入した経路などはわかっていない。万全を期した体制下での感染発生に、担当者は「非常に残念と言うしかない」と肩を落としつつ、引き続き保健当局の指示を仰ぎながら必要な対策を講じていくとしている。

発表の2日後に受刑者の1人と面会した札幌市の男性(43)は「意外と冷静だった」と当事者の落ち着きぶりに驚きつつ、次のように報告した。
「陽性者は隔離されているとわかっているので、それほど動揺はないようです。1800人収容できる施設で、現在の収容は650人ほど。前週から新規入所をストップしているほか、もともと棟ごと空いている所もあり、隔離にはさほど困らないということです。そもそも世間から“隔離”するための施設なので、中のほうがむしろ安全なのかもしれません」

法務省矯正局によると、同日までに国内の矯正施設で確認された新型コロナウイルス感染者は職員29人・被収容者7人の計36人。いわゆるクラスターの発生は、今回の月形刑務所が初めてとなる。

現時点での感染者の内訳は、以下の通り。

 

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。
北方ジャーナル→こちらから

 



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