緊急事態宣言下の通常国会で議論すべきは・・・

新型コロナウイルスの感染拡大を受け2度目の緊急事態宣言が発出される中、通常国会が始まった。あらゆる局面で後手に回るばかりとなっている菅義偉政権への批判が強まるばかりだが、野党も交えて、今後の日本の進むべき道を議論することは大切だろう。コロナ後、あるいはwithコロナに向けて、やるべきことは山ほどある。

■株価暴落への備えはできているか?

金融の世界で新たな危険性が指摘されている。欧米ではインフレについての懸念が日増しに強まっており、国内でも実体経済とかけ離れた異常な株価の上昇に危機感を持つ識者の意見が増えてきた。

帝国データバンクによると、新型コロナの影響を受け破産などの手続きをとって倒産した企業や法的整理の準備に入った企業・個人事業者は、去年2月から今年1月18日正午までで合わせて900社。東京都内で銀座や赤坂を歩いていると、閉店した飲食店の引っ越し作業を頻繁に目にする。店や職を失った人々がどんどん増えているのが、今の社会の実態だ。この実態に見合う形で株価が暴落すれば、大規模な経済破綻へと突き進む可能性もある。

感染拡大の収束がみえない状況下で株高を演出しているのは、金融緩和を進める各国の主要中央銀行。米連邦準備制度理事会(FRB)の緊急利下げに続き、欧州中央銀行(ECB)や日本銀行も追加緩和に踏み切っており、世界中のマーケットがいびつな形となっている。特に日本銀行は何年も前から大規模に国債や株価を買い支えるなど、人工的な操作を継続的に行っており、作られた株高は異常でさえある。

想定外のことが起こりうるのがwithコロナ時代であり、当然、無理に操作された株式相場が大暴落する可能性は非常に高い。無制限な金融緩和によって株価が支えられてきたこともあり、これまでは暴落が起こらなかった。しかし別の見方をすれば、本来暴落が起こるべき時に抑えられてしまったことにより、下落した場合のインパクトは大きくなるともいえる。

今の株価は実体経済との乖離が大き過ぎ、いつ大暴落が起きてもおかしくない状態だ。暴落の時期を予測することはできないが、コロナ不況が深刻化しつつある今こそが、その準備を強化する時だろう。

■スピード感なきワクチン対策と「罰則」への疑念

ワクチン接種についての政府の対応は、ハッキリ言って遅い。各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進められているが、最速ペースで進めるイスラエルでは開始から約3週間で人口の2割超が接種したという。主要7カ国(G7)のなかで新型コロナウイルスのワクチンが承認すらされていないのは日本だけだ。ワクチンは副作用のリスクと切り離せないが、欧米諸国はメリットが大きいと判断して迅速な承認を行った。

イスラエルのメディアによると、ネタニヤフ首相が米製薬大手ファイザーの最高経営責任者(CEO)と17回話し合ってワクチンを確保したという。日本の首相が、こんな努力をしたことはあるのだろうか。

厳しいことを言うようだが、日本政府は海外製品の輸入に頼るばかりで、接種が後手に回る状況を改善しようとする姿勢に乏しい。バイオ製薬企業「アンジェス」(大阪府)が目指している国産のコロナワクチンは、実用化の時期さえ未定。厚生労働省との協議で、安全性をより慎重に確認するために数万人規模の最終治験を追加実施するためだという。ワクチンの迅速な普及に向けて何が必要かを考えなければならないが、政府も厚生労働省も責任をとりたがらない。

政府は新型コロナウイルスに感染した患者が入院・療養先から逃げ出した場合に刑事罰を科すことなどを盛り込んだ感染症法の改正案を通常国会に提出するというが、コロナに関して「罰則」をつくるのは疑問だ。感染拡大を許したのは政治家や官僚のはずなのに、責任をとった人間は皆無。国民だけが重い責任を負わされるのは、どう考えても理不尽というものだろう。

罰則については、おかしな点がまだある。病院によっては「経営が苦しいから、患者の受け入れを拒否できる」のに、なぜ患者が静養先から抜け出した時にだけ、罰則を与えられなければならないのか。入院できずに困っている人がいるという現状なのに、これでは検査しない人が増えることになりはしないだろうか。治療できる病院がコロナ患者の診療を拒否した場合には、保険診療資格を停止するというような罰則があってもよい。

■最善のコロナ対策とは

政府・与党に寛容なNNNと読売新聞が今月15から17日にかけて行った世論調査で、菅内閣を「支持する」と答えた人は39パーセント、「支持しない」が49パーセントとなり、支持と不支持が大きく逆転した。他の報道機関の調査でも同様の数字が出ており、政権発足時に7割近くあった支持率は下がる一方となっている。

管総理は7日の記者会見で、「今回の世界規模の感染の波は、私たちが想像していたものを超え、厳しいものになっています。しかし、私はこの状況は必ず克服できると思っています。そのためには、もう一度、皆さんに制約のある生活をお願いせざるを得ません」と述べた。ここでいう「私たち」とは政府のことを指すと考えられるが、「私たちが想像していたものを超える」事態を自覚した上で、万が一「もしも」のことが発生した場合には、対応可能な対策を考えておくのが政府の役目だろう。危機管理能力の無い政府など必要ない。

国民の善意に頼るだけで何もしない管政権への怒り、それが世論調査の数字に表れてきている。最善のコロナ対策とは、総理大臣を代えることなのかもしれない。

(国会議員秘書)

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