【福岡知事選】「利益誘導」・「土建屋行政」への嫌悪感

3日、福岡県の服部誠太郎副知事が、小川洋知事の辞任に伴う県知事選挙に出馬することを表明した。「自民党県議団」、「民主県政県議団」(旧民主党系)、「緑友会」(農政連系)の県議会主要3派が立候補要請をしたこと受けての決意表明で、大勢が定まった格好だ。

一方、古賀誠元自民党幹事長や一部の県選出国会議員らが推す奥田哲也元国交省局長も、経済人や北九州市議らと会談して支持を求めるなど、出馬に前向きな姿勢を崩していない。

そんな奥田氏が複数の北九州市議らと会った際、懸案となっている北九州空港の滑走路を2,500mから3,000mに延伸する計画に言及。自分が実現すると語っていたことが、北九州市関係者の話から分かった。

土建屋とつるむ政治家や国交省の小役人がが言いそうな「利益誘導」であり、とうてい時代が求める県政の姿ではない。

県民が求めているのは土建屋行政ではなく、感染症に負けない地域社会の実現のはず。県民のニーズを無視して、目先の票めあてに出身官庁の力を誇示する手法は、まさに時代錯誤。「県民幸福度日本一」を掲げて3期連続当選した小川知事の県政とは、まったく違うものだ。

そもそも、北九州空港滑走路の延伸は、県や北九州市が一体となって実現を図ろうと動いてきた政策課題で、すでに国が2020年度に調査費を付けるなど前に進んでいるのが現状。国交省出身の知事だからという理由で、事業開始を早めるような便宜供与が可能になるわけではあるまい。できるというなら、個人の力で国の行政が歪められるということ。そこに、森友・加計で忖度を繰り返してきた霞が関の姿が重なる。霞が関は、やはり霞が関なのである。

服部副知事は、自民党の推薦がなくても出馬するのだと明言している。無所属の「県民党」という立場だ。対する奥田氏は、3日に永田町にいる自民党議員を次々に訪問し、出馬への意思を語ったという。自民党の推薦がなくても出馬するのかどうか、非常に興味深いところだが、「小川県政の継承」と言いながら、その小川氏に推薦候補をぶつけて惨敗した自民党の国会議員たちを訪ね歩くことには違和感を禁じ得ない。

服部氏には、取材したこともなければ、それ以外で会ったこともなく、また会いたいとも思わない。奥田氏についても、同じだ。だが、予算や公共事業をエサに、票とカネを集める政治家には嫌悪感を覚える。

一昨年の福岡知事選の折、塚田一郎国交副大臣(当時)が、北九州市と山口県下関市を結ぶ道路の整備構想について、政権幹部に「忖度」して国直轄の事業に格上げしたと発言。社会問題化し副大臣を辞任したが、その後の参院選で落選している。元国交省・奥田氏の滑走路延伸に関する“公約”は、塚田元副大臣の「忖度発言」に通底するものだ。奥田氏が県知事選に出馬するつもりなら、「利益誘導」と「公約」の違いを理解しておくべきだろう。

(中願寺 純隆)

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