無届け後援会の筑後市議長が選挙収支を修正|それでも問われる違法性

政治資金規正法が定めた政治団体設立の届出をせずに20年以上も違法な後援会活動を続けてきた原口英喜筑後市議会議長の陣営が、2019年の筑後市議会議員選挙における「選挙運動費用収支報告書」を修正し、問題発覚の発端となった「リーフレット」の印刷費支出を削除したことが分かった。

公職選挙法上の虚偽記載だけはなくなった形だが、後援会の設立を届け出ずに「後援会活動に関する支出」を行った事実を消し去ることは不可能で、違法性は否定されていない。

■修正はされたが・・・

下は、2019年の筑後市議会議員選挙の際、原口議長陣営が市選挙管理委員会に提出した選挙運動費用収支報告書の表紙と、違法な「後援会活動」の実態が暴かれるきっかけとなった「リーフレット」の印刷費に関する記載部分。その次の画像が、問題のリーフレットの実物である。

一般的に、政治家の「リーフレット」は、告示前の後援会活動で使用されるもの。選挙運動費用にリーフレットの印刷費を計上していたため不適切な報告を疑い取材した結果、原口議長が、福岡県選挙管理委員会に後援会の設立届を提出せぬまま、「原口ひでき後援会」と称して政治活動を行っていたことが判明した。

政治資金規正法は、政治団体を組織した日から7日以内に、当該政治団体の目的、名称、主たる事務所の所在地、代表者、会計責任者などを所定の様式に従って「政治団体設立届」に記入し、都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に届け出なければならないと規定。その上で、届出をせずに政治活動を行い収入を得たり支出を行なった場合は「5年以下の禁固又は百万円以下の罰金に処する」として厳しい罰則を設けている。

原口陣営については、政治団体設立の届出をせぬまま「後援会」としての活動を展開し、リーフレット印刷の費用を支出していたことが明白。当然、支出を賄うための収入もあったはずで、違法性が問われる状況となっていた。


違法な後援会活動とそれに伴う収入・支出が罪に問われるのは当然だが、それ以前の問題もある。そもそも、疑惑の発端となった前掲の「選挙運動費用収支報告書」は、本来あり得ない「後援会活動」に関する支出を計上した間違った内容のもの。つまりは“虚偽記載”だ。修正せざるを得ないとみて、筑後市選管に確認を入れたところ、1月27日付で次のように「リーフレット」に関する支出が抹消されていた。

■阻却されない違法性

77,760円の支出を抹消したことで印刷費の合計額及び総支出が修正された他、ハンターが市選管に指摘した複数件の支出を1件にまとめるなどといった不適切な記載方法も書き変えられてはいる。しかし、「後援会活動」が行われた期間の事務所費などは選挙運動費用として計上されたままで、報告書が正確な活動実態を表しているとは言えない。

さらに、選挙費用としてカウントできないことが明らかな「リーフレット」の印刷費が抹消されたことで虚偽記載だけは免れた形になったが、政治団体の設立届を提出する前に行われた支出と、それに見合う収入を得たことについての違法性を消すことは不可能で、原口議長が依然として厳しい立場にあることは変わりない。

原口陣営は、福岡県選挙管理言委員会に対し、改めて遡ることができる範囲で政治団体設立届を提出した模様だが、何をやっても違法性を阻却することはできないものとみられている。議長辞職は、最低限のけじめのつけ方だと思うが……。

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