国税を「ねじ伏せる」永田町交渉人は“あの麻生さん”の関係者?

 公式サイト「国税査察専門安心」で“国税当局による刑事告発や重加算税をゼロに”と謳った東京永田町税務事務所。代表税理士が「先生」と呼ぶ「永田町交渉人」の苗字は「麻生」だった。(参照記事⇒《告発も重加算税もゼロにする「永田町交渉人チーム」に問われる違法性

 交渉人・麻生氏は、同事務所に国税対策を相談し、1,500万円を預けてトラブルになった会社の社長に「(国税の)統括をねじ伏せる、押しまくって、ねじ伏せることは可能」と豪語したが、肝心の交渉は進展せず、経過報告もなし。電話1件50,000円、事務所に呼びつけ50,000円という高額な報酬と大言壮語に疑問を抱いた会社社長は、最後に麻生センセイの身元を確認していた。

■九州弁、麻生――相当の力といえば……

会社社長:(交渉人のことを)麻生センセイって呼ばれてますけど、麻生センセイは政治家の方ですか?
税理士:政治家ではないです。

会社社長:政治家ではない?
税理士:政治家ではない。ご本人は、政治家ではない。

会社社長:じゃ、財務大臣の麻生さんとの絡みがあるんですか、あの麻生さんと?
税理士:それはまあ……。こちらも、ね、お互いにね。こちらの内部では守秘の関係にあるので、ちょっとそこはお答えできないんで。そこはご想像にお任せします、ということしか言えないんですけれども、まあ、先程、あの、九州弁をこう喋られた……。まっ、九州出身の麻生さんですので、まあ、もう、こっから先、ここまでしか言えないんですけれど、後はもうご想像にお任せするしかないと。まあ、相当力がある方です。

 東京永田町税務事務所の代表税理士は、財務大臣の麻生太郎氏と関係があるのかと聞いた会社社長に対し、否定せず、むしろ相手が確信を持つような言い回しで応じていた。

 このやり取りの直前、永田町交渉人・麻生氏は「いろんな国会議員の方がいる。財務省でも分野がある。いろんな角度から変化を持って交渉に入る」と述べており、その発言と合わせれば、会社社長が「交渉人は、麻生太郎財務相の一族あるいは関係者」と判断してもおかしくなかった。そう思うように、東京永田町税務事務所側が誘導したともとれる。

 念のため関係者に確認したが、麻生を名乗る永田町交渉人と、麻生太郎財務相とは何の関係もないことが分かっている。もちろん、関係があれば大変な事件になっていた可能性がある。

 交渉人・麻生氏は、税理士資格を有していないにもかかわらず、会社社長に対し、次のような発言を行っていたからだ。

私どもが、6月、7月、8月、9月、10月と5か月間。主に7、8、9、10交渉をしてきた。ご存じの通り、いろんな国会議員の方がいる。財務省でも分野がある。いろんな角度から変化を持って、交渉に入る」
「国税の統括が駄目だと言ったら駄目。その上は関係ない。任された人が結審する。それを私どもが落としにかかって、私も行った
私どもは押しまくる。統括官だろうと何だろうと。我々は実績があるから頼まれている。実績がなければ頼まれない。実績というのは、今国税で年間160件が告発されて、内偵で動いているのがその倍ある。我々に来るのが5分の1。我々も全国に行くのは大変だから、一応電話で交渉したり、ズームで交渉したりする

 本当に麻生なる人物が国税当局と交渉していたとすれば、税理士法違反になることは明らかなのだ。ニセ税理士が財務大臣の関係者では、シャレになるまい。

 じつは交渉人・麻生氏が、国際的に活躍する人物であることも分かってきた。東京永田町税務事務所の公式サイトから関連リンク先をたどれば、ある別のグループのホームページが出てくる。そのグループはマレーシアに拠点を置いているらしいのだが、問題の永田町交渉人・麻生氏が責任者(General Manager)として顔写真まで掲載していた。

 海外本社の会社で責任者をしながら、「今国税で年間160件が告発されて、内偵で動いているのがその倍ある。我々に来るのが5分の1。我々も全国に行くのは大変だから、一応電話で交渉したり、ズームで交渉したりする」(麻生氏)などという活動が可能なのか――。取材を続けるうち、謎に包まれていた東京永田町税務事務所の別の顔が見つかる。

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