鹿児島市教委、「いじめ重大事態」認定の連絡怠る|子供置き去りの呆れた組織

いじめ防止対策推進法が定めた“いじめの重大事態”を隠蔽していた鹿児島市教育委員会が、小学校で起きたいじめを改めて「重大事態」と認定しながら、被害者側に伝えていなかったことが分かった。

問題のいじめは平成30年に市内谷山地区の小学校で起きたもの。ハンターは今月2日、いじめを原因とする欠席が40日を超えていたことから明らかな「重大事態」だったとみられるその事案が、学校と市教委による事実上の隠蔽によって、うやむやにされたままになっていたことを報じていた。(参照記事⇒“鹿児島市立小でも「いじめの重大事態」|学校と市教委が事実上の隠蔽”)

当時の被害児童の家族は、令和元年に市立伊敷中学で発生したいじめの重大事態を、学校側と市教委がぐるになって隠蔽したとする報道をみて、当時の関連個人情報を開示請求。その後市教委は唐突に、請求を行った当該事案の保護者に対し「重大事態になる可能性が出てきましたので、3日の会議で教育委員に報告します」と連絡してきていた。3日の会議で市教委は、その小学校のいじめを「重大事態」と認定。伊敷中の事案とともに、第三者委員会で調査することを決めている。

開示請求が出され、あわてて「重大事態」の認定に走ったのは明白。ドタバタ劇を象徴するように、いじめ被害の当事者を置き去りにして、市教委だけが右往左往する状況だ。驚いたことに、会議の結果について、小学校のいじめ被害者側には市教委から何の連絡もなく、小学校でのいじめが「重大事態」と認定されたことを知ったのは、地元紙「南日本新聞」が4日朝刊に掲載した記事によるものだった。

被害者側は、やむなく市教委に連絡。“責任ある立場の人間から説明を受けたい”と頼んだが、週明けの7日午前になっても市教委側から電話1本かかってこなかった。

午後、再度連絡したところでようやく担当課長が電話に出たが、誠意ある対応はなく、謝罪の言葉もなかったという。

谷山地区の小学校で起きたいじめは、何度学校に相談しても改善されず、被害児童が不登校に――。保護者は当時、「重大事態」として認定するよう再三申し入れたが、学校も市教委も一顧だにせず、“いじめを受けた子供が”中学進学時に学区の変更を余儀なくされるという不利益を被っていた。

「重大事態」の認定をしながら連絡もせず、再び置き去りにされた形となった、いじめの被害者とその両親。市教委は、一体誰と向き合っているのだろうか。

 

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