福岡県・二場公人田川市長陣営の「選挙運動費用収支報告書」に重大疑惑

二場公人田川市長の陣営が、2019年に行われた市長選で市選挙管理委員会に提出した選挙運動費用収支報告書に、重大な疑惑が浮上した。

田川市選挙管理委員会への情報公開請求で入手した市長陣営の収支報告書及び領収書の写しによれば、記載された複数の支出は、報告書の提出日以後になされたもの。物理的に不可能なことから、市長陣営と選管が、提出期限後に作成された報告書を期限内に受け取った形に偽装した疑いがある。

■報告書提出期限後に支出5件

公職選挙法は、選挙の執行日から15日以内に、当該選挙にかかった全ての収入・支出を選挙運動費用収支報告書に記載し、支出を証明する書面(領収書や振込書)の写しを添付して当該選挙の事務を管理する選挙管理委員会に提出するよう義務付けている。それ以後に発生した収入や支出については、7日以内に報告書を作成し、提出しなければならない。大きな選挙では、第2回分、第3回分と報告が続くケースもある。

下は、2019年4月14日告示、21日投開票の日程で行われた田川市長選挙で、2期目の当選を果たした二場公人市長陣営が市選管に提出した選挙運動費用収支報告書の表紙である。(*以下、すべての画像の赤い書き込みはハンター編集部)

 田川市長選の選挙期日は4月21日であることから、収支報告書の提出期限は5月6日。市選管の受付印の日付では、二場陣営の報告書が期限ぎりぎりの「5月6日」に提出されていたことになっている。

表紙の記載が事実なら、選挙に関する収入・支出が発生したのは3月1日、それから2カ月後となる4月30日までの選挙資金の流れが記載されていることになる。つまり、4月30日以降に収入や支出が発生すれば、第2回分として報告書を作成し、選管に提出しなければならない。

ところが、二場氏の報告書の支出欄を見ていくと、下の画像のページの記載に、“あり得ない支出”が5件も登場する。

 「5・8」のコピー代27,712円、「5・20」の水道代3,280円、「5・20」の電気代9,840円、「5・20」の電気代38,262円、「5・17」のガス代4,600円――5件分計83,694円。このすべてが、報告書が提出された5月6日以降に支出されている。

領収書の写しを確認してみたが(下の画像参照)、たしかに記載通りの日付で支払いを起こしていた。

未来の支出を前もって終わらせ、収支報告書に載せることなどできるはずがない。二場陣営の収支報告書は、5月20日以降に作成され、5月6日に受付けたように偽装された可能性がある。その場合、現職市長陣営と選管が“ぐる”だったということになるが……。

■説明つかない市選管

“二場市長陣営の選挙運動費用収支報告書は、法定の提出期限である15日を超えて提出されたものではないのか”――。田川市選挙管理委員会に事実関係の確認を求めたが、「精査する中で新たな支出が見つかり、修正をしたと聞いている」という極めて曖昧な説明しか返ってこなかった。違法な収支報告書が存在する理由について、市選管は説明責任を果たせていない。

そもそも、二場市長陣営の収支報告書には、提出期限後に「修正」した証拠などどこにもない。下は、報告書の支出合計のページ。支出の総合計を記載する欄には修正の跡がない。選管が言うように5月6日以降に出てきたという5件分の支出計83,694円を加えたのなら、当然支出総額が修正されていなければならない。しかし、支出総額に修正された形跡はない。

 もちろん、「修正の仕方が分からなかった」という言い訳は通用しない。前掲の報告書の支出欄や支出合計の欄には二重取り消し線が引かれており、これは修正を意味している。報告書の作成者も選管も、修正の正しい方法を知っていたということだ。支出合計の数字が変わるのなら、当然そこに二重取り消し線が引かれ、新たな金額が記入されていたはず。それがないとすれば、上掲・支出の合計ページごと差し替えたということになる。だが、それは修正ではなく、法を無視したルール違反に過ぎない。これが許されるなら、後出しで選挙収支の都合の悪い部分を消すことも可能となるからだ。

現段階における二場市長陣営の選挙運動費用収支報告書は、違法性が問われてもおかしくない文書だ。ただし、「違法」という意味では、二場町長陣営の政治資金処理自体に別の大きな問題がある。

(以下、次稿)

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