候補者乱立・横浜市長選出馬表明者と大阪府知事「イソジン会見」との関係

8月22日に投開票予定の横浜市長選で、候補者が乱立している。

現職で4期目を目指す林文子市長をはじめ、前国家公安委員長の小此木八郎氏、元長野県知事の田中康夫氏、元神奈川県知事で参院議員の松沢成文氏、立憲民主党が推薦する元横浜市立大教授・山中竹春氏、東京地検特捜部検事で弁護士の郷原信郎氏など、合計で10人が立候補を表明するという異例の事態。その中の一人である山中氏に、新たなスキャンダルが囁かれている。

■「イソジン会見」

昨年8月、うがい薬であるイソジンなどに使われているポビドンヨードが、新型コロナウイルスの陽性率を低減させると記者会見で公表した大阪府の吉村洋文知事と大阪市の松井一郎市長。吉村知事の軽率さを象徴する出来事だったが、いまだに新しい研究成果は公表されていない。

会見を仕掛けたとされる大阪府立病院機構「大阪はびきの医療センター」の松山晃文次世代創薬創生センター長は、自身ががプロジェクトリーダーとなり設立した「Adipo Medical Technoiogy社」(以下A社)と大塚製薬工場が再生医療等製品の共同開発を開始すると発表したが、ハンターは、イソジン研究に参加している松山氏の妻がA社の役員に入っているなど“疑惑”を持たれかねない状況だったことを《維新・吉村大阪府知事「ポピドンヨード発言」の裏話》で報じていた。実は、そのイソジン研究に関与していたのが横浜市長選の立候補予定者となった山中氏なのだ。

吉村知事が「ポビドンヨード会見」で手にしたフリップには、ポビドンヨードうがい薬の効果でPCR検査の陽性者が減っているとした“「ポビドンヨードによるうがい」の新型コロナ軽症患者への活用について~大阪はびきの医療センターでの研究成果~”が記されていた。その最後には<解析:横浜市立大学医学部 医療統計学 山中竹春教授>とあった。(*下が会見で示されたフリップの該当部分)

イソジン会見の波紋が大きかっただけに、チェックが入るのは当然。山中氏の出馬会見後、イソジン研究に参加していたのではないかとネット上で物議を醸す事態となった。

■「解析」否定するも……

7月13日、同氏と立憲民主党は急遽記者会見を開いて「研究に参加した事実はない。フリップの名前は無断で掲載されたと認識している」と反論したが、市民が情報公開請求などで入手した資料や、松山氏と大阪府担当者とのメールのやりとりから、山中氏が関与していたことは明白とみられている。

2020年8月3日21時17分に松山氏が大阪府の担当者に送信したメールには、<現在、横浜市立大学の山中教授のところで作成をお願いしております>として、添付資料の<解析>に山中氏の名前がある。

残された証拠は、それだけではない。記者会見当日の朝、8月4日7時47分の松山氏のメールには、<横浜市立大学の山中先生と協議し、ここでおちつきました>と書かれていた。

なぜ、山中氏は関与を否定するのか?立憲民主党のある関係者は、こんな内幕を語る。
「山中氏は『解析はしていない』と記者会見で言いました。解析者となる条件は、三つあるそうです。共同研究者の中に名前があること、倫理委員会で審査通過していること、研究計画書の手法に沿った研究であることの三つ。山中氏は、三つとも該当しないと主張していますが、要するにイソジン研究の“解析”はしていないが、半ば関与は認めているというお粗末な話なのです」

■郷原氏が明かす舞台裏

山中氏は横浜市長選の最大の争点、IR誘致についてギャンブル依存症の増加、治安の悪化が専門のデータサイエンスよって明らかだの数字なので反対していると説明している。だが、一時山中氏との話し合いで妥協できれば市長選から撤退するとしていた郷原弁護士は、舞台裏をこう明かす。
「私は山中氏に対し、納得できるようなギャンブル依存症の詳しいデータを示してくれたら、降りますと明言していました。だが、立憲民主党の関係者からは『そんなものはない』という趣旨の説明しかありませんでした。山中氏は、データサイエンスの専門家なので、そういうバックグラウンドがあると売りにしたかったのでしょうかね。説明には江田憲司衆院議員も同席していましたが、意味不明な反論をして、途中で怒って帰っていきました」

郷原氏が、出馬を取りやめなかった背景には、こんな動きがあったのだという。山中氏はIR誘致に反対。その公約の核となるデータがないというのでは話にならない。イソジン会見同様のお粗末さに、呆れるばかりだ。

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