ハンドソープ、消毒液、体温計――新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、次々に店頭から姿を消す対策グッズ。不良品混入でいつ届くか分からなくなった「アベノマスク」だが、ないはずの不織布マスクが、専門外の業者によって大量に売られるケースが増えている。福岡市内では、ついにマスクのリヤカー販売が登場した。
■リヤカー販売登場
福岡県内では、専門ではない業者による「新手」のマスク販売が複数確認されるようになった。入手困難で価格が高騰している「希少品」に目を付けた商売である。
先週、ハンターの読者から届いたのは、いまではあまり見かけなくなったリヤカーでのマスク販売。スーツ姿の男性2名が、リヤカーでマスクを販売していた。場所は博多駅周辺の路上で、のぼり旗を立てて、目立つ工夫までなされていた。
別の目撃者によれば、男性らは20分以上写真の場所にとどまり、あたりを見回していたという。その間マスクを買う客はいなかった。
■道交法上の問題も
誰かが通報したのか、たまたま通りかかったのか、しばらくすると警察官が登場。リヤカーの二人と話を始めた。停止した状態で販売行為を行っていたことから、注意を受けたものとみられている。
県警に問い合わせたところ、焼き芋販売のように継続的に移動しながら販売する場合は該当しないが、路上で一定時間停止して物品を販売する場合は「道路使用許可」が必要になるとのこと。注意を受けたということから考えて、リヤカーの二人は道路使用許可をとっていなかった可能性が高いのだが、クルマの場合と違って常に動かすことができるリヤカー販売の違法性を問うことは難しいのだという。
ちなみに、道路使用許可は地域のお祭りイベントで屋台を開くような場合を除き、取得は厳しいとされている。
■目撃相次ぐ軽トラでのマスク販売
新手のマスク販売は全国で報告されており、軽トラックを利用した業者(?)の姿が、九州各県でも見られるようになった。下の写真も福岡市内の読者が送ってくれたものだ。
素人感いっぱいの「マスクあります」――。欲しい人がいるのは確かだろうが、売るほどのマスクがどこから出てきたものか、不思議だ。
ドラッグストアの店頭から消えたマスクを、おそらく専門業者ではない人たちが、リヤカーや軽トラで売り捌く状況は、決して好ましいことではあるまい。