自民・甘利幹事長、石原元幹事長が落選危機|現職閣僚らも大苦戦

4年ぶりの総選挙は、いよいよ明日が投開票。岸田文雄新総裁のもとで圧勝を狙ったはずの政権政党・自民党に逆風が吹いている。

10月24日、前哨戦となった参議院静岡県選挙区の補欠選挙で、自民党と公明党が推した若林洋一氏が、野党系の山崎真之介氏に5万票近くの大差で敗北。有利とみられていた中での逆転負けが「静岡ショック」となって、全国に波及しているのだ。

■UR疑惑の甘利幹事長が「どぶ板」選挙

中でも、永田町で「落選危機」と囁かれているのが、神奈川13区の自民党幹事長、甘利明氏だ。立憲民主党の新人、太栄志氏と争う。

自民党は、衆議院選挙期間中、党幹部役員らの「演説会」日程をホームページなどで公表している。当初、そこに甘利氏の名前があり、本人は全国を駆け回っていた。しかし選挙戦終盤になり、突然、甘利氏の名前が消えた。事情を知る自民党幹部が、裏側を説明する。
「静岡ショックの後の自民党やマスコミの調査で、甘利氏の数字が急落して、太氏との差がほとんどない状況。演説会に行っている時間などないと、予定をキャンセルして地元に張り付くことになったのです」

あるマスコミの期日前投票出口調査では、甘利氏が太氏に数%リードされているというデータもある。

過去、当選12回と圧倒的な強さを誇る甘利氏だが、今回は地元で支援団体や企業をまわるだけでなく、街頭演説でもマイクを握る「どぶ板」の選挙戦だという。しかし、本来、自民党幹事長という立場からすると衆議院選挙は党本部に陣取り、全国の情勢をチェックして指示を出す司令塔でなければならない。

「幹事長が地元でどぶ板。党本部は選対委員長らにおまかせというのは聞いたことがない。自分の選挙で手いっぱいというのでは、幹事長として機能していないに等しい」(自民党幹部)

■土壇場の派閥領袖・石原氏

もうひとり、落選が真実味を帯びてきたのが、野党共闘がなった立民・吉田はるみ氏と戦っている東京8区の元自民党幹事長・石原伸晃氏だ。

石原派の領袖でもある伸晃氏は大苦戦しており、自民党本部や報道機関の情勢調査では、吉田氏が石原氏を7%ほど上回る。

吉田氏優位の状況は、選挙直前、いったん同区からの出馬を公表していたれいわ新選組の山本太郎代表が出馬を取りやめたことが、大きくプラスになった結果だという。石原氏を支援する地方議員が、こうぼやく。

「山本氏の騒動で東京8区がにわかに注目を浴び、吉田氏の知名度がアップした。石原氏は、悪者扱いされ演説会の日程もほとんど公開しないというステルス選挙戦。とても、自民党の大幹部だったとは思えないような戦いぶりです。街頭に立っても反応は鈍く、厳しい状況です」

■若宮・山際、現職閣僚らも接戦

「静岡ショック」は現職閣僚にまで及ぶ。

東京5区は、自民党・若宮健嗣消費者及び食品安全担当相の地元だ。立民の前職、手塚仁雄氏との戦いは、これまで若宮氏が小選挙区3連勝。だが、自民党の情勢調査では、手塚氏が2.3%ほど優位という衝撃的な結果が出ている。

「当選4回で初入閣というのは快挙ですよ。陣営も楽勝ムードがただよっていた。それが、野党に風が吹き始めて、一変した。大臣が選挙に負けるなんて格好つかないと、地元まわりに懸命です」(若宮氏の支援者)

もう一人、現職閣僚で危機が伝えられるのは、神奈川18区の経済再生担当相、山際大志郎氏。戦いの相手は立民元職の三村和也氏だ。複数の情勢調査で数%優位という結果が出ているものの、期日前投票の出口調査ではほぼ横一線となっている。前出・自民党幹部の話。
「山際さんは、コロナ対策担当の大臣という重要なポジションにいる。それが小選挙区で勝てないとなると、コロナ対策の信頼性にもかかわることになる。感染拡大が小休止しているため本人は必死で地元をまわっているが、相当に厳しい。彼は甘利氏幹事長と親しく、これまでの選挙ではかなり支援を得ていた。だが、幹事長が落選危機にある状況で、頼ることもできない。大変だろうね」

この二人の閣僚以外にも、二階俊博前幹事長の側近で経産相などを歴任してきた千葉10区の林幹雄氏、緊急事態宣言中の銀座遊びで離党した麻生太郎副総裁に近い神奈川1区の松本純氏などが接戦を繰り広げている。

大物の「落選ドミノ」が、現実味を帯び始めている。

 

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