ヤジ排除訴訟一審原告が公安委に申し入れ|「判決文読んでない」に抗議声明

前回参院選の選挙期間中に札幌で安倍晋三総理大臣(当時)にヤジを飛ばした市民が警察に排除された事件で、のちに国家賠償請求訴訟を起こした当事者らが6月27日、北海道公安委員会へ抗議を申し入れ、声明を発表した。同訴訟で本年3月に言い渡された一審判決について、地元議会で質問を受けた公安委員長が「判決文を確認していない」と発言したこと(既報)に抗議するもので、国賠原告と代理人が北海道警察本部を訪ねて公安委担当職員に声明文を手渡した(*下参照。画像クリックで拡大)。

◇   ◇   ◇

声明は27日付。同日午後に会見を開いた訴訟代理人の齋藤耕弁護士(札幌弁護士会)は「公安委は独立した立場で警察を管理監督し、必要な指導をすべき立場であるはず」と指摘し、道警の排除行為を違法と断じた判決に委員長が目を通そうとしないことは「職務放棄と言わざるを得ず、警察を民主的にコントロールできていない」と批判した。

「これだけ社会問題になっているヤジ排除訴訟について、道警本部の主張と異なる判断が司法機関から出た以上、公安委は判決内容を精査し、道警の対応の適否を判断するべき。今からでも遅くないので、速やかに判決内容と道警の報告との整合性を確認し、改めて指導する必要があるかどうかを判断するよう求めます。それをしないのであれば、今いる委員たちは道民のためにも速やかに辞任すべきです」

会見に同席した国賠一審原告の大杉雅栄さん(34)は「ヤジ排除問題の発生以降、公安委はこれまで独自の存在感をまったく示せていない」と喝破、もはや委員長が判決文を確認していないことにも驚かないとし、「意味のない機関なら、いっそなくしたらいい」と訴えた。同じく桃井希生さん(26)は「判決文は30分もあれば読める。それすらしないっていうのは、警察を管理する機関として『司法への敬意がない』っていう宣言をしたみたいで、すごく恐ろしい」と話した。(*下が会見の様子

道警の公安委担当職員に声明文を手渡した一審原告らは「なんらかの形で回答を求めたい」としている。これについて筆者は現在、道警を通じて公安委の見解を尋ねているところだが、28日午後の時点で回答は届いていない。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

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