「国葬」批判に「黙ってろ」|「蛮人」投稿の議員がまた問題投稿

本サイトで7月下旬に報告した北海道議会議員によるツイッターへの不適切投稿問題で、首相演説ヤジ排除事件の国賠原告らを名指しで「蛮人」と誹謗した与党系議員が目下、新たな投稿で“炎上”状態となっている。インターネット上では蛮人発言に輪を掛けて批判の声が集まっているが、本人は現時点で反論の投稿などをしていない。

◇   ◇   ◇

問題のツイートを書き込んだのは、北海道議会の道見泰憲議員(自民、札幌市北区)。8月28日午後、「(安倍晋三氏の)国葬に反対する方々にお伝えしたい」と書き出した投稿を「黙ってろ」との暴言で締め括り、国葬を批判する人たちを挑発する内容だった。(*下の画像参照)

この投稿がネット利用者らに“発見”されたのは、9月初旬。ツイートはまたたく間に拡散され、7日午前の時点で本人アカウントのフォロワー数を軽く超える8,000以上の「リツイート」がついている。もとの投稿への返信を伴う「引用リツイート」は3,000件に迫る勢いで、付されたコメントは「民主主義への挑戦」「命令される覚えはない」「お前が黙ってろ」「何様ですか」など、道見氏の投稿を批判する内容が多くを占めている。

渦中の道見氏は先の「蛮人」発言が問題となった7月下旬、筆者の取材に応じた際に「与党と逆の立場でもヤジは迷惑なはず」と、次のような主張を口にしていた。
「たとえば今、デモで『国葬反対』とギャアギャア言ってる人たちだって、ヤジを飛ばされたら嫌でしょう」

また話題が「言論・表現の自由」に及んだ際は「自分自身はその自由を主張しない」とも話していた。
「(「蛮人」投稿は)政治家としての発言ですが、言論の自由とかは主張しません。そういう権利に頼って好き放題に言い散らそうとは思わない、ということです」

この時の発言に従うなら、今回の「黙ってろ」投稿も言論の自由とは別の何かに立脚する言動のようだが、それが何なのかは知る由もない。札幌市内にある道見氏の事務所は、7日午前の時点で電話が繋がらない状態が続いている。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

 

 

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