福岡県田川市、川崎町、糸田町、福智町の1市3町で構成する「田川広域水道企業団」が、約150億円をかけて田川市内で整備を進める新浄水場=白鳥浄水場(仮称)の建設工事に重大な疑惑が浮上した。
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同企業団への情報公開請求では、開示されて当然の文書を記者が追及するまで出さないなど、意図的な隠蔽が疑われる状況。何週間もかかってようやく揃った文書から、土木、電気、機械の関連3工事すべてが「1者応札」で、落札金額も不正を疑わせる95%以上だったことが判明した。入札参加条件の決定過程も杜撰かつ不透明で、1者応札を誘導した疑いが否定できない。
さらに、電気設備工事を受注した特定建設工事共同企業体(JV)の構成員企業は田川市議会議長のファミリー企業で、同工事の契約から2か月も経たない時期に、議長が当該ファミリー企業側から選挙に関する「寄附」を受けていたことも分かっている。口利きに対する「見返り」を疑われてもおかしくない構図だ。
【参照記事】“田川市・陸田孝則議長の選挙収支に公選法違反の疑い|禁じられた「特定寄附」隠し「虚偽記載」の可能性”
最大の問題は、情報開示までの過程で、企業団が新浄水場建設のために取得した土地に関する一部の文書を隠そうとしたこと。記者から厳しく追及された企業団が渋々開示した契約書などから、事業用地の一一画が永原譲二大任町長の娘婿が代表を務める有限会社の所有だったことが明らかに――。また土木工事の施工体系図には永原氏の実子が代表を務める建設会社と前述の有限会社が記載されており、田川市・郡で暴力支配を続けてきた実力者の影がちらつく状況となっている。
次週から、田川市を舞台に発覚した新たな疑惑について、詳細を報じていく。