参政党の「政治とカネ」|党本部の政治資金収支報告書に虚偽の可能性

 今年7月の参議院議員選挙で「日本人ファースト」を掲げ躍進した参政党に、政治資金処理に絡む「政治とカネ」の問題が浮上した。

 問題の対象は、同党本部が総務省に提出した2024年分政治資金収支報告書の記載内容。同報告書には、参政党福岡県支部連合会が本部に支出したとして同年分の収支報告書に記載した13件136万円分にのぼる「講師料」などの記載がない。報告内容の信頼性が担保されていない状態で、虚偽記載の疑いが否定できない。

■県連の報告書にも疑問点

 参政党福岡県連が福岡県選挙管理委員会に提出した2023年分の政治資金収支報告書には、「講師料」という名目で以下の支出が記載されている(*下が該当のページ)。選管に開示請求して確認したところ、講師料支出に見合う参政党本部発行の領収書もある(*報告書下の画像)。

 二つの資料をまとめる形で、右から支出月日、金額、「領収書」に印字されている「領収書番号」と「イベント実施日」の順に並べた。

7月3日  200,000円 RーKS01358  イベント日:23年6月4日
同 日 200,000円 RーKS01223  イベント日:同年3月26日
同 日 150,000円 RーKS01163  イベント日:同年2月11日
同 日 100,000円 RーKS01113  イベント日:同年1月9日
7月28日 200,000円  RーKS01065  イベント日:22年11月26日
同 日 50,000円   RーKS01362  イベント日:23年6月18日
8月10日 150,000円  RーKS01027  イベント日:22年10月17日
同 日 50,000円   RーKS01240 イベント日:23年4月1日
8月29日 50,000円  RーKS01068 イベント日:22年11月27日
同 日 80,000円   RーKS01100 イベント日:22年12月24日
同 日 100,000円   同上にまとめ  イベント日:同上
同 日 80,000円   同上にまとめ  イベント日:同上

 おかしな点ばかりが目立つのは誰の目にも明らかだ。同じ日の支出であるにもかかわらず県連は金額を分けて支出している。領収書の備考欄にある「イベント」(イベント名として「タウンミーティング」の記載あり)の実施日がそれぞれ違うからだ。しかも、同じ日に集金した形なのに、何故か領収書番号に連続性がない。さらに不可解なのは、日にちを経るほど数字が大きくなるはずの領収書番号が、逆に小さくなるなど資金処理の信憑性が疑われる格好となっている。記載内容に疑義が生じているのは言うまでもない。

■消えた「講師料」

 問題は、県連側による一連の支出に領収書を発行した参政党本部の政治資金収支報告書に、どのような記載があるかだ。確認するため、総務省に提出された党本部の報告書に目を通した。

 結論から述べるが、参政党福岡県連が支出した「講師料」12件計141万円と、上掲の県連報告書一行目にある「BAN祭当日参加費」340,000円という支出に該当する収入の記載は本部の報告書にない。単なるミスとは思えず、虚偽記載を疑わざるを得ない。

参政党の説明を聞くため、同党本部から指定された広報の人物に連絡をとり、取材の趣旨を説明した上で回答を求めた。この件に関するハンターの質問と参政党の主張はこうだ。

Q:福岡県支部連合会の収支報告書の支出において、支出を受けた者の氏名の欄に参政党本部と記載されている項目があるが、参政党本部の収支報告書ではどこに記載されているのか?
回答:複数の項目に渡りますが、本部の収支報告書においてはその他の事業収入で物販ほかに全国分合計計上されています。

 残念ながら、この回答では虚偽記載の疑いを払拭することはできない。むしろ、益々報告内容に信憑性がなくなったと言うしかない。

 回答に《その他の事業収入で物販ほかに全国分合計計上》とある。確認すると、参政党本部の「その他の事業収入」は下に示した報告書に記載されているものだけだ。

 本部が福岡県連に出した領収書の記載が事実なら、まず「講師料」は上掲の報告書の『タウンミーティング他勉強会収入』に、「BAN祭当日参加費」は『春のBAN政り』か『参政党グッズ物販売上』に計上されているものと推測できる。しかし、いずれであっても収入の詳細を記載したことにはならない。

 参政党のタウンミーティングは各地で個別に開催されており、領収書にある通り、福岡県連が関与したイベント=タウンミーティングだけでも10回以上開かれているはず。そうした「事業」を一括りにするのは間違いで、物販にしても一度で済ませたものではあるまい。それらを《全国分合計計上》などと称して一括計上してしまえば、個々の事業の正確な収支が掴めないことになる。こうした処理のやり方は、虚偽記載を可能にする手法だと言えないこともない。違法性が問われるということだ。

 県連の支出目的は、あくまでも「講師料」。ならば、本部も受け取ったカネを「講師料」として収入計上すべきだろう。政治資金の透明化という観点から言えば、参政党の収支報告は0点。国政政党として、批判に耐えうる形を模索すべきである。

 同党の資金処理を巡っては、7月の参議院選挙福岡選挙区で初当選した中田優子陣営の公費負担分を除くすべての収入と支出が、党福岡県連からの「無償提供」となっていることが判明。候補者あての領収書は1枚もなく、候補者個人の“たすき代”まで参政党県連が支払った形となっていた。

 現段階において「無償提供」分の支出先はすべて不明で、選挙収支の信憑性にも疑義が生じる状況。東京、大阪、神奈川などで初当選した同党の候補者も「無償提供」を理由に実際の支出先が記載されておらず、組織的に脱法的な手法をとっていた可能性さえある。参政党の政治資金処理から目が離せなくなってきた。どうする?参政党。

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