少なくとも9人の女性を騙し、多額の現金を騙し取って逮捕・起訴された稀代の詐欺師・日高洋。被害が広がる原因を作ったのは、事件化を望んだ女性たちの訴えをことごとく退け、何年間も犯人を野放しにした鹿児島県警だった。積み重ねた数多くの証拠を示しても動かない県警。被害者の一人であるAさんは、なんと3年以上鹿児島中央署に通い続け、捜査するよう懇願していた。ところが同署は・・・。
■懇願届かず被害が拡大
これまでの配信記事で、日高被告の悪質な詐欺の手口について報じてきた(既報1、既報2、既報3)。紹介できたのはほんの一部だ。Aさんは記録に残していたそれらすべての出来事をまとめた文書に証拠や録音データまでもそろえ、鹿児島中央警察署に示して捜査するよう懇願していた。それでも動かない中央署――。初めて被害相談した2020年3月24日から日高が本件で逮捕される23年12月3日までの約3年9か月間、Aさんはほぼ毎月、県警に捜査するよう促していた。
Aさんが警察署に足を運んだ回数は計43回、架電19回(*いずれも県内の所轄)。60回を超える被害者の願いを、県警はなんだかんだと言いがかりをつけ、叶えようとしなかった。意図的に、被害届や告訴状の提出をあきらめさせようとした証左だ。警察との接触状況について、Aさんが残していた記録に基づき下の表にした。

数々の証拠をそろえ、これだけ真剣に被害を訴えたにも関わらず、動かなかった鹿児島県警――。この間、1億円近いAさんの詐欺被害のうち5,000万円分の事案が「公訴時効」を迎え、法的な立証を困難にしてしまっていた。押さえられたはずの日高の資産などは散逸。Aさんの手元には1円も戻ってきていない。

鹿児島県警の「女性軽視」は枚挙に暇がないが、この件に関する鹿児島中央署の悪質な対応は、「不作為」の一言で片付けられるようなレベルではない。あろうことか同署の警察官たちは、被害を訴えるAさんに対し、捜査を拒否する言動を繰り返し、ある時は人格否定としか思えない侮蔑の言葉まで投げつけていた。次の配信記事でその詳細を報じる。
(中願寺純則)
















