安倍晋三首相の辞任に伴い実施される自民党の総裁選挙で、菅義偉官房長官が後継に選出される可能性が高まった。
47人の所属議員を抱える二階派が菅支持を決めている他、竹下派(54人)や菅氏を中心にまとまる無派閥議員40名以上が追随する見通し。細田派(98人)を出身母体とする安倍首相本人や第二派閥・麻生派(54人)の領袖である麻生太郎副総理も菅支持に傾いており、急速に「菅総裁」への流れができつつある。
出馬が予想される岸田文雄政調会長は岸田派(47人)内をまとめきれておらず、同派の事実上のオーナーである古賀誠元幹事長の動きがハッキリしないことで、戦いへの展望が開けない格好になっている。
地方の党員に人気のある石破茂元幹事長も、両院議員総会での総裁選出が決まれば頼みの地方票が見込めないという、これまた苦しい状況だ。
ある自民党幹部によれば、二階幹事長周辺は今月14日までに菅氏を後継総裁の座につけて17日に臨時国会を召集。第99代内閣総理大臣に菅氏を指名して組閣し、10月後半の解散総選挙に持ち込む計画だという。