三反園前知事陣営が選挙収支を大幅修正|ハンターの報道直後に約30か所

7月に行われた鹿児島県知事選挙で落選した三反園訓前知事の陣営が、県選管に提出した選挙運動費用収支報告書に、事務員報酬の日当上限「10,000円」をはるかに超える支出の記載をしていた問題で、同陣営が報告書の大幅修正を行なっていたことが分かった。

報告書の修正が行われたのは先月21日と24日で、公職選挙違反(買収)の疑いがあるとしてHUNTERがこの問題についての追及記事を配信した翌日から、30か所前後の記述が削除もしくは訂正されていた。

修正によって支出額が減ったため、選挙の余剰金も増え、約1,430万円が三反園氏の手元に残った形となっている。

■約240万円の事務員報酬を抹消

当初、三反園陣営が県選挙管理委員会に提出していた選挙運動費用収支報告書によれば、同陣営は6月29日に選挙運動費用の中の事務員報酬として県内在住の男性3人にそれぞれ23万円、25万円、24万円を支出。さらに、7月11日から16日にかけて同じ男性らに17万円を支払ったことになっていた。別の女性に対しても、6月29日に11万3,400円を、7月16日には13万6,800円を事務員報酬として支払ったとの記載が残っている。

鹿児島県知事選挙は6月25日告示、7月12日投開票の日程で行われており選挙運動期間は17日間。公職選挙法は、事前に登録された事務員に対する報酬の上限を「1日10,000円」と定めており、知事選で事務員に支払うことのできる報酬額は17万円まで。三反園陣営の事務員報酬は、公選法の規定する額を大きく超えており、超過分が「買収」とみられる可能性があった。

これらの記載とは別に、今年5月から6月にかけて「立候補準備」の費目で前記事務員らに10~25円の事務員報酬を支払ったことが明記されており、「後援会活動」の支出を選挙運動費用に混在させた疑いも持たれていた。

その後、三反園陣営が選挙収支を修正したことが判明。改めて県選管に開示請求して入手した選挙運動費用収支報告書を確認したところ、事務員報酬を中心に13カ所を抹消、16カ所を訂正するなど大幅な修正が行われていた。(*下は、修正された選挙運動費用収支報告書の一部)

抹消によって無くなった支出は約240万円。人件費は約550万円から310万円ほどに減っている。

■巨額の選挙余剰金

三反園氏の選挙収支が確かなものなら、巨額の余剰金が出たことになる。知事選における三反園氏の収入総額は2,866万6,000円。一方、支出は大幅修正によって約1,885万円が約1,640万円となったため報告書上の残資金は1,226万円あまりとなる。ただし、支出総額には公費で賄われた選挙用ポスターとビラの印刷費用が計上されているため、その合計額203万9,280円を足した約1,430万円が三反園氏の手元に残った計算となる。この剰余金は三反園氏の収入で、選挙後にどう処理したかは本人に聞くしかない。

ところで、記事中の選挙収支の金額に「約」あるいは「あまり」と付けたのには訳がある。三反園氏の選挙収支は極めて杜撰で、大幅修正が行われた後も依然として明らかな間違いが散見されるのだ。つまり、正確な選挙運動収支報告が提出された形になっておらず、いわば違法状態。県選管もそのことを認めており、再修正が必要な状況となっている。

三反園氏の選挙運動収支報告書を巡っては、2016年の初当選時にもハンターの指摘で多くの不適切記載が発覚。その結果、百カ所近い修正に追い込まれた経緯がある。政治資金や選挙資金の収支報告は、政治家にとってイロハのイ。満足に自分の選挙資金もチェックもできないような人物に、首長や議員が務まるとは思えない。

 



関連記事

注目したい記事

  1. 8年近くに及んだ安倍晋三政権が唐突に終わり、官房長官として「一強」を演出してきた菅義偉氏が第99代内…
  2. 一般女性に暴力をふるうなどして強制わいせつ未遂で起訴された北海道警察・函館西警察署の元巡査部長(41…
  3. 今年7月に行われた鹿児島県知事選挙で落選した三反園訓前知事(62)が、衆議院鹿児島2区に重点を置いた…
  4. 「事故を収束させるために行ったのに、なぜあんなことを言われなくてはならないのか……」――札幌地方裁判…
  5. 2015年5月、西日本新聞の朝刊に、福岡県警が贈賄容疑で元立花町議会議員を逮捕したことを報じる記事が…




本日の記事

  1. 2020-9-30

    米大統領選、トランプかバイデンか|元外国特派員協会会長インタビュー(上)

    8年近くに及んだ安倍晋三政権が唐突に終わり、官房長官として「一強」を演出してきた菅義偉氏が第99代内…

ページ上部へ戻る