大阪維新「サウナ市長」の命運やいかに|注目集める池田市議会最終日

昨年10月、市長室につながる市長控室やトイレに、家庭用サウナに加えベッド、エアロバイク、電子レンジ、鍋セット、キャンプ用コンロなどを持ち込み、問題になった大阪府池田市の冨田裕樹市長。「デイリー新潮」で家庭用サウナやベッドの動画などが公開されると、「サウナ市長」「ホームレス市長」などと話題沸騰し、池田市議会も対応を迫られる事態となった。

池田市議会は、11月に調査特別委員会(以下、「百条委員会」)を設置。不適切な庁舎使用や、公金の私的流用、市職員へのパワハラといった疑惑についての調査を続けきたが、今月末にも調査内容をとりまとめ、5月から6月にかけて調査報告書を公表するという。その市議会の最終日となる3月29日の動きに、注目が集まっている。

■議員秘書から市議、そして市長に

冨田市長は百条委の中で、問題のサウナの持ち込みについて「市長という激務で、体調管理に必要だった」「娯楽という意見もあり、撤去した」などとして、不適切な行為であったことを認めている。

冨田氏は、過激な発言で知られる日本維新の会の足立康史衆院議員と「維新政治塾」で出会い、2013年頃に公設秘書となった人物だ。その後、15年4月に地域政党「大阪維新の会」から池田市議選に出馬して当選。19年4月には、大阪維新公認で戦った市長選でも勝利を収める。

政治家としては、トントン拍子の出世だったが、サウナ問題を起こして大阪維新の会を離党。昨年11月に開いたサウナ問題を釈明する記者会見には、かつての親分である足立氏が同席していた。池田市のある市議会議員は、苦々しげにこう話す。
「マスコミが記者会見を求めると、『足立議員が一緒ならやります』と言ったそうです。離党しても維新と一体でなんですよ。市長の後援会長のA氏も維新の支援者。その会社の取締役も、次の市議選で維新から出馬すると噂になっています。維新に、反省という言葉はないんでしょうね」

■悪のデパート

大阪府では圧倒的な人気を誇る維新だが、各級選挙で出てくる候補者のレベルが低過ぎ、次々に“事件”を起こしている。

池田市では、2016年に市議の羽田達也氏が、運営していた整骨院の診療費を不正請求した詐欺の容疑で逮捕。また、19年には大阪市議だった不破忠幸氏が選挙の際にウグイス嬢に不正な報酬を支払い、公職選挙法違反で逮捕されている。2人とも有罪判決が確定し、市議を辞職。大阪維新を離党している。

同じく大阪維新の西端勝樹守口市長は、宅建士の資格がないにもかかわらず経営する不動産会社で重要事項説明を行い、宅建業法違反を指摘され記者会見で陳謝。昨年8月には、東京都港区の赤坂大輔区議会議員が女子高生に下半身を露出するという公然わいせつ容疑で現行犯逮捕され、日本維新の会を除名処分になっている。赤坂氏には、以前にも傷害容疑で逮捕された過去があった。

国会議員では、日本維新の会に所属していた沖縄の下地幹夫衆院議員が、IR汚職で逮捕された衆院議員の秋元司被告の共犯者から現金100万円を受け取っていたとして離党している。

大阪府内にとどまらず、全国で「悪のデパート」と化している維新。二重行政をなくすとか、当地機構を変えるだとかきれいごとを並べてきた維新だが、粗製乱造の候補者選定が、結果的に税金の無駄遣いになっているという現実を、有権者はしっかりと認識すべきだろう。

■不信任か議会解散か

問題の池田市の百条委員会だが、調査ではじめて明らかになったのは、冨田氏が市長などの特別職にだけ供与されている市役所駐車場を無料で利用できる定期券を、自身の後援会長であるA氏に渡して自由に使わせていたこと。百条委員会でA氏もその事実を認めており、市長は3月10日、大阪地検特捜部に背任と公職選挙法違反(選挙区内での寄付)の容疑で刑事告発されている。

しかし、前述したように、府内での選挙で負けることはほぼない。前出の池田市の議員は、その点についてぼやきながらも、覚悟のほどを次のように語る。
「百条委員会の審議の中で、冨田氏が刑事告発された事件の内容まで分かってきた。市民からは『池田市の恥』『サウナ市長で有名になり格好悪い』とお𠮟りをちょうだいしている。市議会に対しては、冨田市長の不信任案を出すべきとの声も大きい。市長を不問にすれば、次の市長選でも、知らん顔して出馬してくるでしょう。そうなると、維新は選挙だけは強いから、再選ということになる。市民が市長の悪行を認めることになってしまう。やはり、それを許してはないけない。市議会の手で引導を渡すべきという意見が強くなっているのは確かだ」

池田市議会の定数は22で、うち3人が維新所属だ。残り19人の動向で不信任案の行方が決まる。市議会最終日は3月29日。市議会が不信任案を提出し可決させるのか、あるいは、その前に冨田氏が先手を打って市議会の解散をするのか――。全国に名をとどろかせた「サウナ市長」の進退は風雲急を告げている。

(山本吉文)

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