【暴力支配の背景】永原譲二大任町長が指定暴力団最高幹部から不動産取得

福岡県町村会の会長や全国町村会の副会長という立場にありながら、違法な賭け麻雀や公選法に抵触する疑いのあるピンク宴会を実行、さらには特殊警棒を振るって町民を襲うなど暴虐の限りを尽くしてきた福岡県大任町の永原譲二町長とその長男が、川筋ヤクザとして名をとどろかす指定暴力団「太州会」の最高幹部らから、複数の不動産物件を取得していたことが分かった。

物件取得は「売買」によるもので、永原町長の資金が太州会側に流れ込んだ形。一般人ではほぼ不可能な不動産取引は、永原氏と太州会との深いつながりを示す証拠と言えそうだ。

■「太州会」との関係を示す不動産取引

永原氏の力の源泉は、豊富な資金力と地元密着の川筋ヤクザ「太州会」の影響力だ。永原氏と同会のつながりを示す証拠がある。

昨年の正月、永原氏は大分県日田市にある自身の長男名義の別荘で、恒例となっていた「賭け麻雀」に興じ、新型コロナに感染した。この別荘は、2004年に町長の長男が売買によって取得した物件で、元の所有者は指定暴力団の会長代行を務めていた人物だった(既報)。

元の所有者が会長代行を務めていた組織こそ「太州会」なのだが、その後の取材で、永原町長自身が現役の四代目太州会最高幹部や三代目の姐(あね)から不動産物件を買い取っていたことが明らかとなった。下が、現在までに判明した一連の土地取引の概要である。

 平成10年11月には、永原氏本人が太州会三代目姐から約3,300㎡の土地を買い、13年に町長の妻が代表を務める社会福祉法人に寄付。12年には町内大行事にあった四代目太州会最高幹部の土地3筆約1,300㎡と同地内の建物を購入していた。

大行事の土地にあった建物は数年後に取壊し。平成15年から16年にかけて永原氏名義の新邸が建設され、現在は建設会社社長を務める娘婿の自宅に充てられている。

■権力維持に利用してポイ

ある地元の古老がこう話す。
「永原町長と太州会の関係は、多くの関係者が知っていることですよ。特に知られるようになったのは、三代目の大馬雷太郎さんが会長だった頃からで、大馬会長をバックに災害復旧事業を仕切って相当の利益を得たと言われています。大馬会長は平成13年に不慮の事故で亡くなったのですが、おたく(ハンターの記者)が調べた土地取引の時期は、まさに大馬会長と町長が密月状態だった頃のことですね。

永原は平成17年の町長選で初当選しましたが、その前年に長男名義で太州会の会長代行だった人の別荘を買ったのは、さすがに自分と会の深い関係を知られたらまずいと思ったからじゃないですかね。もちろん、四代目になってからも永原と太州会の関係は続いてきました。多くの人が知ってることですよ。だからみんなが怖がる。永原の言うことを聞いておかないと、酷い目にあうと思い込まされている。これね、思い込まされてるだけで、いまは実際に太州会が永原のお先棒を担いだりすることはないと思います。川筋者にはそれなりの矜持がありますよ」

恫喝や威嚇で批判的な相手を黙らせ、果ては特殊警棒を振り回すという暴力体質が顕著な永原氏。大任町議会や周辺自治体の首長、さらには町の関係者が沈黙を守らざるを得なかったのは、永原氏の背後に太州会の影がちらついていたからだ。

多くの関係者が口をそろえて言うのは、「永原町長が悪いのは分かっている。分かってはいるが……」、「永原は大した人物ではないが、その後ろが……」といった嘆き言葉。「……」に入るのが「太州会」という組織名であることは間違いない。だが、その背景や構図がハッキリと見えてしまった時、人々を畏怖させてきた虚構は崩れ去る。永原氏による暴力支配の終わりだ。

永原氏は、太州会という地元最大の力を最大限に利用してきた。しかし、その一方で、自分が食い物にしてきた建設行政の実態を隠すために、情報非開示の責任を「反社」(同町の非開示理由から)になすり付け、報道関係者や警察には現役の太州会幹部の実名を挙げて批判的な立場の町議との関係をでっち上げた。権力維持に川筋ヤクザの威光を利用し、最後はポイ。永原氏にとって、太州会は利用するだけの便利な存在に過ぎなかったということだ。

「不動産を買ったのは事実だが、それを以て指定暴力団と密月だとは言えまい」――永原氏特有の苦しい反論が聞こえてきそうだが、言い訳のできない「動かぬ証拠」が、実は存在している。

*21日、大任町役場を訪れ、総務財政課を通じて“過去から現在に至るまでに、太州会幹部と付き合いがあったか否か”の確認を町長に求めたが、出稿までに連絡はなかった。

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