ハラスメント「受けた」「見聞きした」87%|北海道新聞労組の調査で判明

労働組合による調査で社員の6割以上が会社に不信感を抱いていることがわかった北海道新聞で(既報)、同労組がハラスメントの実態把握を目的に実施したアンケート調査の結果がまとまり、回答者の8割以上がハラスメントを経験、または見聞きしたことがあるという実態があきらかになった。結果は3月下旬の同労組『速報』で組合員に伝えられ、併せてハラスメント研修会が開かれた。

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先の『速報』で調査結果を知った組合員によれば、今回のアンケート調査は2月中旬から3月上旬にかけて実施、過去10年間のハラスメント経験などを尋ねる質問に157人が回答を寄せた。

回答者自身がハラスメントの被害に遭ったというケースは全体の半数を超え、また同僚への被害を見聞きしたという回答も50%超となった。被害がなく見聞きもしていないという回答者は12%ほどに留まり、全体の87%以上がハラスメントの存在を認識していることがわかった。ハラスメントの種類では「パワーハラスメント」が最多の81.3%に上り、続く「セクシャルハラスメント」も3割を超える結果となった(合計で100%を超えるのは「複数回答可」の設問のため)。

ハラスメント被害を誰に相談したかという設問では、最も多い回答が「相談せずに我慢した」(41.6%)という身も蓋もない結果となり、「会社が用意した相談窓口」の利用は僅か0.7%に留まった。つまるところ、北海道新聞では社員の9割ほどがハラスメントを経験または見聞きしつつ、被害者の4割以上が泣き寝入りしているという実態が浮き彫りとなった形だ。記述式で主な被害内容を尋ねた問いには「『妊娠したら職場に迷惑がかかる』と言われた」など、一般企業のハラスメント問題を批判的に伝える同紙の報道内容と大きく矛盾する訴えも寄せられており、社員の多くが職場で「我慢」を強いられる深刻な状況が窺える。

中堅記者の1人は「社では『健康増進の体操』が始まったり、何をしたいのかわからない状態。相変わらずハラスメント事案が多く、年度末にも20人ほど退職するらしい」と肩を落とす。現在なお日常的にパワハラを目撃しているという1人は「今もいつ壊れるかわからない若手記者が複数いる」と明かし、今回の調査については「そもそもハラスメントの加害者がそれをハラスメントと思っていないし、去年の自殺事案にも良心の呵責を感じてない幹部がいるので、何をやっても意味がない」と指摘している。

社員の会社離れ加速が懸念される北海道新聞ではこの3月、発行部数が初めて80万部を割り込んだことがわかった(25日付『社報』によれば79万3,944部)。

関係者によれば、これまで毎年3~4万部ほどだった減少ペースがここに来て年4万部以上減と加速しており、読者離れにも歯止めがかからない状況だ。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

 

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