銀座クラブはしごで役職辞任|自民党・松本純衆院議員の政治とカネ

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言が発出される中、銀座のクラブで夜遊びしていたことがばれた自民党の松本純衆院議員と公明党の遠山清彦衆院議員。

遠山氏は、ハンターの配信記事で九州一の繁華街・中洲のキャバクラに政治資金を流用していたことも分かり、幹事長代理を辞任した。

松本氏も国対委員長代理を辞任しており幕引きが近づきつつある状況だったが、改めて松本氏の政治資金を調べてみたところ、不可解な献金がいくつも見つかった。

■京都不倫出張のあの補佐官から献金

松本氏の資金管理団体「松本純後援会」が神奈川県選挙管理委員会に提出した2017年分政治資金収支報告書の寄附の欄に、とんでもない「大物」の名前があった。

寄附者は「公務員」の「和泉洋人」。額は1万円だが、住所などから、菅義偉首相を支える内閣総理大臣補佐官の和泉氏であることが確認できた。自民党のベテラン議員がこう話す。
「松本さんも和泉氏も横浜市の出身。安倍政権で松本さんが国家公安委員会委員長に初入閣した時に、和泉氏は安倍首相の補佐官だった。松本さんは国土強靭化も担当。和泉氏も同じ役目で親しくしていました。しかし、不思議ですね。なぜ和泉氏は1万円寄付したのでしょう。彼は、ただの官僚じゃなく政権を支える補佐官ですからね。誤解を生みかねない」

■麻生と近い破綻企業の代表者からも

昨年10月、本サイトで麻生太郎副総理と広島県呉市の呉商工会議所元会頭・奥原征一郎氏を巡る疑惑について報じたが(⇒“破産した麻生副総理の盟友が風力発電で復活|消えた8億円の補助金”)、2018年分の「松本純後援会」の報告書には、同年5月8日に、その奥原氏が1万円を献金したことが記されていた。松本議員は麻生氏の側近。その関係で関係を築いていた可能性がある。

問題は、献金の時期だ。昨年の記事でも指摘した通り、奥原氏が社長だった「アジア特殊製鋼」が経営破綻したのは2012年4月。福岡県や北九州市の助成金は、同社の破綻で踏み倒された格好となっている。

一方、2016年に国家公安委員会委員長に就任した松本議員は、海洋政策も兼務。海上風力発電事業を展開する奥原氏の「グローカル」はこの年、「産業技術総合開発機構」(NEDO)が実施する実証実験の委託事業者に正式決定していた。

松本氏の大臣時代と、奥原氏のグローカルがNEDOの委託業者となった時期が重なるのは、単なる偶然なのか――。どうやら検証する必要がありそうだ。

■金融商品取引法違反で立件された会社からは12万円

不適切な相手からの献金はまだある。松本氏が代表を務める「自民党神奈川県第一選挙区支部」の2018年分政治資金収支報告書には、「(株)ナイス」からの12万円の献金が記載されている。

ナイスは木材卸、戸建て、マンションの建設会社で、東証1部上場。しかし、2019年5月に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で証券取引等監視委員会と横浜地検が強制捜査し、7月に元会長ら3人が逮捕された。横浜地裁で公判が進んでおり、検察側は元会長に懲役2年6カ月を求刑している。

そのナイス社の第三者委員会報告書(https://www.nice.co.jp/files/2019/07/2019_07_24.pdf)を見ると、元会長は新築マンションが完売になるまで、会議において住宅部門の役員に起立して謝罪するよう強制したり、自ら定めた「ワイシャツは白」「役員は喫煙禁止」「ゴルフ禁止」等の決まりに違反した役員は降格させるなど、自由の制限、パワハラで社内を牛耳っていたことがわかる。松本議員は、こんなとんでもない会社から、献金を得ていたということだ。返金されるべきだと思うが……。

 

 

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