隠された真実|鹿児島県医師会副会長「事件報告」の欺瞞

一昨年秋、新型コロナウイルス感染者の療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(昨年10月末で退職。以下、「男性職員」)が女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる行為に及んで告訴された。事件発覚以来、一貫して強制性交の被害を訴えてきた女性に対し、男性職員は「合意があった」と主張。コロナ患者そっちのけで性行為に及ぶという暴挙だったにもかかわらず、県医師会の池田会長やその取り巻きらは、女性の話を聞きもせず「合意に基づく性行為」という一方的な見解を振りまいた。(既報1既報2既報3

人の命を預かる医師らによる非常識な「人権侵害」に鹿児島県も激怒。医師会の最終報告(下の画像)を受けた県は、《適切な対応をとるといった姿勢を感じられなかった》、《具体的な調査においても、関係者からの聞き取りをする前から「複数回あった」、「強制であったかどうか」との発言があるなど予断を持って調査が進められた》などと異例ともいえる厳しい言葉で非難していた(既報4)。

この間、ハンターの取材で問題の男性職員がセクハラやパワハラの常習犯だったことや、医師会が設置した調査委員会が、ハラスメントの事実を把握しながら事実上の隠蔽を行ったことが判明(既報5)。医師会による一連の対応に、大きな疑念が生じる状況となっている。

そうしたなか、県医師会は昨年12月3日に代議員と役員の合同会議を開催。ハンターは、そこで大西浩之副会長(前・常任理事)が行った「報告」の録音データを入手した。決論を先に述べておくが、大西氏が披露したのは、報告というより批判された自身の発言に関する自己弁護。医師会にとって都合の悪い事実には一切触れず、これまでハンターはもちろん県からも批判されてきた身勝手な主張を繰り返しただけの、欺瞞に満ちた内容だった。

■報告内容、その一部始終

大西副会長は、昨年まで常任理事。池田会長と共に、早い時期から「合意に基づく性行為」を主張していた人物だ。会議の冒頭、報告に至った理由について「医師会の多くから、もう少し詳しく説明して欲しいという声が多かった」「ハンターと言うメディアの記事は、非常に機密性があるもので、ちょっと出所が非常に怪しい」の二つを挙げて話し出していた。

以下、かなり長くなるが、足し引きなしで入手した音声データの反訳を掲載する(*聞き取り不能な個所は●●で表記)。これまで配信してきた記事を参考にした上でお読みいただきたいが、事実誤認あるいは虚偽と判断した個所は、稿の後段で問題点を明らかにするため赤字で示し、番号をふった。

今回報告に至った理由は、主に大きく二つあります。一つは、会の皆さまから、多くの皆さまから、もう少し詳しく説明して欲しいという声が多かったということ。それから、二つ目は、最近のハンターというメディアの記事のことです。これまでもいろいろな記事があったんですが、最近の記事は、非常に機密性があるものをですね、ちょっと出所が非常に怪しい。

例えば、調査委員会の報告書、医師会と弁護士事務所に二つだけ、医師会の場合は、二重に鍵を掛けて保管していたもの、弁護士事務所にしかありません(①)我々、委員のものもすぐに資料は回収され、議事録を回収されていた中で、それがメディアに出てしまったと言うこと。これは非常にですね、問題でして、そこで語られていることが、いろいろな人に迷惑をかけているということで、警察にも相談しまして、そしてどういった手続きを踏むか、今検討しているところであります。こういった中でですね、今日は急遽そういったお話をさせていただくことになりました。

まず、あの、今日の資料の中にございます、4枚つづりの資料をご確認ください。まず一番上に、あの、池田会長が10月5日に、あのー、県の方に報告をした報告書がございます。ちょっと読ませていただきます。『宿泊療養施設内での不適切行為について厳重注意』ということです。

『現在厳しい状況環境下で、人命を守るため現場の最前線で献身的な努力をして頂いている医師、看護師等の医療関係者や患者搬送に多大なご協力を頂いている海上保安庁、自衛隊及び消防機関など、本件全体で、新型コロナウィルス感染症対応に取り組んでいるこのような中で、本来新型コロナウィルス感染症の陽性患者が療養するために使用されるべき宿泊療養施設内において、医療従事者や医療関係者の中でも特に模範となることが期待されている中核的な機関である貴会所属の職員による不適切行為が行われたことは、県民の信頼を著しく裏切るものである。また新型コロナウィルス感染症対応に昼夜を問わず鋭意従事して頂いている方々の士気にも影響を及ぼしかねない由々しき問題であり、県の新型コロナウィルス感染症対策に支障を及ぼしかねないものであり、極めて遺憾である。今後このようなことを絶対に起こすことがないよう報告があった再発防止策を徹底するようここに厳重に注意する。10月5日』とあります。

次の資料をご覧ください。これは、2月15日南日本新聞で新聞に載った記事であります。県医師会職員わいせつ、えっと上から3段目のところに、女性が一連の行為に対し同意はなかったとあります。そして一番下の所、ええ、男性職員は現在宿泊療養施設の運行業務から離れていると、まあそういうコメントが載っております。ただ事実、この後ですね、2月22日に開かれました郡市医師会長連絡協議会で私が、えー発言をさせていただきました。その発言をした理由と言うのはですね、まあこの南日本新聞という記事を受けまして、こちら宿泊療養を担当している職員が一名だったこと。今休養しているというコメントによって特定されてしまいまして、非常に大変な目に遭っておりました。あの、自殺人みたいな形に本人はなりまして、奥様が精神科医に通院、そして子供たちは学校でいじめられて、「お前の父ちゃんもうすぐ逮捕されるんだろう」とそういう状態にあるということでした。そこで、あの、まあ、私は、この新聞は女性側の一方的な意見ですので、まず男性側の主張をとりあえず、クローズドの会である医師会長とまあそういう医師会執行部会の中でとりあえず報告をしようと、そういうお断りをした上で報告しました。

それが次の3枚目をご覧ください。えー郡市医師会長連絡協議会での私の発言。まあ、2月15日の南日本の記事が、当該男性職員、えー男性職員はAと呼びます。えー、派遣された女性スタッフをB、そして派遣元の医療機関をX医療機関、X理事長と呼ばしていただきます。えー、特定しうる内容だったので、職員Aの自殺企図、妻の精神科通院(②)、子供たちの学校でのいじめ、まあ、お父さんの、もうすぐ逮捕だろうとの大変な状況を聞いたために、まあしかし、事情を知る職員Aの関係者、また職員Aの弁護士等から聞いた話は、あまりに新聞報道とかけ離れた印象を受けた。そこで私は、以下の発言をした。

まず新聞は女性の主張なので、男性の主張をちょっとしたいと。まず私自身が、本件を、あの、本件を知ったのは令和4年1月11日。あの、これはX理事長が会長室を訪問されたときでした。私はたまたま医師会におりまして、会長を待っておりましたけれども、2時間ぐらい出てこられなくて、大事な用だったので、2時間待っていたところ、理事長が先に出てこられて、その後、会長が真っ青な顔して出てこられたので、「気分が悪いんじゃないですか」と声を掛けたところ、会長は「ちょっとまあ心配なことが起こった」という話でございました。

そして、まあその後は私も特にタッチしていなかったんですけれども、2月15日の新聞報道が、ちょっとかけ離れていた。これは新聞報道が出た後色々調べたらかけ離れていたということで、22日に発言させていただきました。えーまあ、職員Aは宿泊施設の仕事をかなり熱心にしていたと思っていた(③)。そして、職員Aと職員Bとは、以前からJマットで顔見知りであった。そして、初めて職員Bの部屋に行ったのは、これは男性職員の話ですが、8月27日であった。ええっと、22時から4時まで6時間、女性スタッフの部屋で話をした。これは宿泊療養施設ですね。この時は、何もなかった。

次に行ったのは10月の31日。女性スタッフBから差し入れをねだられ、部屋に持っていき、23時から3時間滞在。その時、初めてキスをした。そして、9月9日、11日、12日と、女性職員Bの派遣機関であるX理事長の医療機関でキスをしている。えー、その際、X理事長の医療機関を訪問する際には必ずX理事長の許可を受け、女性職員Bが鍵を開けて入っておる。そして、9月16日、えー、X理事長の医療機関で初めて性交渉を持ったえー、ここはちょっと弁護士さんの報告とちょっと違うんで、僕がこう発言したと思うんですけど、えっと、ここはちょっと定かではない(④)

9月18、22、宿泊施設で、そして、9月30、これが最後の性交渉になりますけど、9月30日はX理事長の医療機関で性交渉を持った。この際も別の理由でX理事長の許可をとり、女性職員Bが鍵を開けている。9月30、9月30日までが、女性職員Bが宿泊施設での仕事の最後の勤務の為、30日までの勤務だったので、その後は会っていない。

12月1日にX理事長から突然、職員Aへ呼び出しがあって、土下座をさせられ、謝罪をさせられ、理事長と女性職員Bの両方にお金を支払うようにと、慰謝料を求められたと。慰謝料の回答期限は12月5日まで。で、また慰謝料の支払い期限は12月25日と指示されております。職員Aは300万円ぐらいずつ●●●●●払えば、この状況から逃れられると考えて、X理事長とのやり取りをしたんですけれども、要求されている金額が桁違いと分かったため、支払いは無理と思い、12月5日以降X理事長との連絡を絶った(⑤)彼はそれ以降何をしていたかというと、精神科へ入院、そして両親と妻に告白(⑥)、そして、えーまあ、その後少し元気になりまして、弁護士を紹介して頂いて戦うという、そういった気持ちになっております。と、となっていますけれども、戦うためにということです。ごめんなさい。

令和4年11月11日にX理事長が県医師会館を尋ね、職員Aが女性職員Bに強制性交を行ったことを説明して、池田会長、職員Aを処分するように要求した。そして、その後、県医師会とX理事長との文書でのやり取りが17回あったと。そして、17回のやり取りを経て、えー、3月から調査委員会が開催されることになりました。この調査委員会に関しましては、女性の供述を得るためには、えー、委員はその内容を語ることは決していけないという誓約書を書かされました(⑦)

そして、私がこの話をした根拠を少し基に、あの話をさせていただきたいと思います。いま大体お話をしたことは、大体、あの、まとめてみますと、まず最初に●●があったんですけども、男性職員AとX理事長は非常に、あのまあ宿泊療養施設で親しくなったわけではなくて、熊本地震の際から、非常に親しく、食事とかゴルフとか、えー、メールのやり取りを、ほとんど頻回に繰り返していたということ。それから、ええっと、文書のやり取りの17回なんですけども、ちょっと女性側からの文書はですね、全てX理事長からのものであったと。ええと、普通だったら女性から来たり、女性の弁護士から、例えば私の場合だったら、うちの職員がそうなった場合は、女性の、あの、まあ、●●にそんなできない、すごく熱心だったと思います(⑧)、その時はですね。ただ、あの結果として、ちょっと違和感を覚えました。ですから、ちょっとあの、まあそこら辺がどういったことだろうと。17回もやり取りをしたということです。そして、もう一回、あの、復習します。8月、えー、27日。8月から派遣されて、令和3年のですね、女性職員Bの部屋を初めて訪れた。その後9月に渡って、えー、X理事長の施設や、宿泊施設で、まあそういった関係を持ったか、女性の言い分としては、ハンターとかの言い分を見ると、すごく嫌で、男性職員の顔を見るのも、もう眩暈や動悸がしたけれども、なんとか周りに迷惑をかけたくない、理事長とか、周りに迷惑をかけたくないということで、ええと、9月の30日まで頑張ったと。そういう報告になっています。男性職員の方は、さっき主張した通り、合意のもとそういった形で関係をもったという主張であります。

ええと、10月になりまして、後で示しますけれども、10月1日と、10月4日、ええ、その職員Aと女性職員Bは1時間以上の長電話をしております。10月7日にメールを交わしています。そしてその後、関係が途絶えています。12月1日X理事長から突然男性職員へ医療機関へ呼び出しがありました。そして、さっき述べたように、慰謝料を求められ、12月5日までに回答するように、そしてその際にはですね、12月5日の期限の24時間前ですね、午前0時に男性理事長から、メールが来ています。『あと24時間になりました』と。そして、えー、慰謝料の支払い期限は12月25日と、あの、そして、その際は一括で支払うようにとの要求が来ております。但し、12月5日以降職員Aは、理事長との連絡を絶っています。1月になって、11日、先程述べましたようにX理事長が医師会館を訪れており、それから文書でやり取りがありました。2月15日に新聞報道があり、2月22日に郡市医師会協議会で私が発言しております。3月になりましてから、調査委員会、そして懲罰委員会が6月まで行われております。ま、こういった流れです。

それではですね、ちょっとここから各論に入りますので、ちょっと今から、ちょっと資料を配りたいと思いますので、その資料をご覧ください。

主にはこの12月1日辺りのことを述べております。まず一番上のメールです。これはですね、12月1日男性職員がX理事長に呼び出された裏で、その女性職員Bが、えー、2カ月ぶりに男性職員Aへメールを送っております。2ヶ月ぶりです。僕はこのメールが、全ての始まりだと思っています(⑨)。ええ、まあ、これはどういうことかというと、えー、男性職員へ『メールは削除してくださいね』、と。そして、『私とどうかなったのは』X理事長の医療機関『の中だけ』のことです『1回だけですよ』、と。宿泊療養施設内での打ち合わせは、『普通に仕事しかしていません』、すぐ削除を、『他のデータは削除して下さい』、という、まあ、こういうメールです。そして、まあこれは多分、恐らく(⑩)、そのX理事長施設でのことはバレて、追及された裏で、男性にこういうメールを送ったと。ですから、その際には、私は強制性交を受けたんだという説明をしたんだと思いますけど。男性職員は全く訳がわからないまま、理事長の部屋を訪ねております。

次の資料をご覧ください。これはですね、えー、男性職員Aと女性職員Bの通話履歴です。まあ、えっとですね、長時間しょっちゅう電話をしておりまして、中には2時間以上にわたる電話もあります。しかもですね、ええっと、女性の側から電話をしてきたのを合図に、切って、また男性が掛け直して、2時間以上電話する。そういった、まあ、手の込んだ会話の仕方をしております。まあ、一応、まあこの通話時間、ちょっと左側に書いてありまして、そして、キスまたは性的関係、これは、まあ、あの、先程述べた通りなんですけども、青いところはですね。ここであの、えー、X理事長の側からオレンジの所、ここであの、宿泊施設の中で強制性交だったという文章がこの日だということで届いております。そして、まあ、その、えー、いろんな施設でそういったことを繰り返す中で、緑のところですけど、えー必ず別の理由とはいえ、X理事長の施設内に入るときは、こういう資料を作るために利用させていただきますよ、という許可をとり、これもメールが残っております、そして女性職員Bが鍵を開けて、中に入っていた。

そして、この次のページもご覧ください。これが延々と9月30日まで続いております。そして、9月30日からはこの男性職員は、そういう形の行為に持っていくことはあったんですけども、非常にX理事長の信頼がそのB看護師に対して厚いということに気付きまして、なんとか離れないといけない、よそよそしくなっていっております。

そして、まあその後、女性に、女性スタッフはですね、9月30日まで頑張ったけども、9月30日になったら、もう男性職員の顔を見なくても済むと、ほっとしたと、顔を見るのも、思い出すのも、気分が悪くなるくらいだというような、あの、まあ食い違いがございました。この9月の中の行為でですね。ええっと、しかし10月の1日を見て頂けたら、まだ10月の4日、会わなくて済むようになった後、1時間以上の長電話を2回しております。

そして、ええ、最後ですね、最後のメールです。10月7日、男性職員Aと女性職員Bが最後のメールを交わしています。これ最後の長いメールをしているんですけど、その前のところ、前のページではですね、あの、男性職員Aに、男性職員が作った資料を見せてほしいというお願いです。この男性職員が、ああもうこれは見せに行った方が早いかもね、会おうかなというような会話です。そしたら、その女性職員は『ひどいことしたと思って落ち着かなくて』『こんな自分がまた許せなくなって』『ごめんなさい』と、そして男性職員『おはようございます。今日、夕方役員会があり、入るのか入らないのか微妙なラインです。こちらの状況も合わせてまた連絡します』、女性職員から『おはようございます 病院に来れる時間が分かれば教えてください 今日はサクッと終わりましょう』笑顔マークを返しています。男性職員、この職員はちょっと会わなくて済むのならということで、ちょっと『今回改訂があった看護師謝金が高すぎると先生達が言い出し 急遽、会議になりました。終わり時間が不明なので、すみません。今日は訪問難しいです』、女性職員『了解 ご連絡ありがとうございます』これから2ヶ月間連絡が途絶えて、12月1日を迎えることになっております。ちょっとただ今の資料はですね、ちょっとあった通り、名誉棄損の、あの時間が書いてあるところに、被疑事件の名誉棄損の証拠書類ですので、ちょっと回収させて頂きますので、申し訳ございませんが回収させてください。

私がここで思うのはですね、恐らく、あの、12月、今からあの、まあ1日の前後のことを話しますけど、男性理事長はですね、恐らく、本当にそう思ったんだと思います(⑪)。あの、まあ、あの女性の言った通りだと思ったんだと思います(⑫)。で、ええと、男性職員はですね、何が何だか分からなくなって、本当混乱のまま、あの、そのメールの意味も分からないし、呼び出された意味も分からないまま、あの、12月1日から5日までを過ごしたのかなと思っております(⑬)

ええっと、次はハンター関連の資料を配らせてもらいます。このハンターのですね、一番上の写真、これは男性職員が実際に書いてX理事長に送った謝罪文です。ええと、たぶん1ページ目のですね、赤線が引いてありますけれども、ハンターの記事です。読みます。『男性職員が手書きしたとされる「罪状」と題する文書には、「強制性交等罪であることを認めます」と明記してある。』、これは実際男性職員AがX理事長に送ったものです。そして、次のページをご覧ください。2枚目です。男性職員の謝罪文ですね。『私が、今回犯してしまった罪は、どのような理由があっても決して許されるものではありません。私の犯してしまった罪により、約二カ月の間、食事もまともに取れず、仕事もままならない状態であり、多大なる身体的・精神的苦痛を△△様におかけしたことに対し、ご家族に対しましても、多大なるご心配をおかけしましたことに、謝罪の言葉も見つかりません。』、これ男性の直筆で書いてあります。ただこの10月、11月と私一緒に仕事をしてましたけど、こういった素振りは私は全然なかったです、食事も食べてましたし、普通に仕事もしておりました。ええと、男性職員がおかしくなったのは、その12月5日から後ですね、休んだり、あの、色々あの、出てこなくなった時期とかもありましたので、まあそのときかと思いますが(⑭)、この2ヶ月、12月1日の2ヶ月のことと勝手に思っていますけど。そして、一番下の行ですね、『自身が犯してしまった罪に対し、△△様ならびに』、これはB、女性スタッフですね、『雇用主であります』X理事長『□□□□様に対し、私が出来る最大限の弁償をさせて頂きたいと考えております』、こういう風にあります。

次の3枚目をご覧ください。ハンターが、今までの証拠というか、謝罪文を基に赤線が書いてあるところですね、『なにより、男性職員がこの文書を書いたのは、女性や女性の雇用主の目の前ではなく、被害を訴えている女性側の関係者が一人もいない場所』なぜこれをハンターが知っている。『男性職員や医師会側は、あたかも女性の雇用主に脅されて“書かされた文書”と主張しているようだが、離れた場所にいる男性職員が、怖がって詫び状や罪状を認める文書を書くとは思えない。むしろ、画像だけを送ったことからも』、画像だけを送ったことをなぜ知っているのか、ただその通りなんです。『その場しのぎの弥縫策で時間稼ぎをしたとみる方が自然だろう』非常に男性職員を非難しています。

次をご覧ください。これは先程申し上げました12月5日の回答期限24時間の午前0時にX理事長がA職員に送ったLINEです。ちょっと読み上げさせてもらいますけど、ただこの午前0時に送られると、ちょうど24時間ですから、本当に怖いと思うんですけれども。『当方から、貴殿に対する申し渡し通知期限まで残すところ、あと24時間となりました。受け入れられない回答に備えて、即刻刑事、民事訴訟の手続きを行うべく準備も完了しております。貴殿より先日電話で、面談希望がありましたが、あくまでも、何らかの解決に向けて、受け入れ可能な回答が得られない場合は、当然面談が実行されることもありません。回答内容としては、当然のことして、①貴殿の犯した罪状の告白、②罪状に対する真摯な謝罪、③被害者、被害者本人並びに被害者法人に対する慰謝料が記載されたものを文書として提出されることが前提です。貴殿の鬼畜行為により被害者の身体的、精神的不調は著しく業務はもとより、日常生活もままならない状況です。被害者本人のみならず、雇用主に与えた損失は、著しく巨大であり、和解が成立しない場合には、貴殿が受けることになる社会的制裁を考慮した場合、和解を得るには、当然一生を掛けて償うべき保証内容が必要となることを申し伝えております。また当方と貴殿の連絡手段としては、このLINEしか存在しないこと』まあ、ということが書いてあります。

次のメールをご覧ください。男性職員がですね、ハンターでは自主的に書いたような謝罪文だとありますが、実際これが自主的と言えるのかなと私は思うんです(⑮)。まあ、彼自身は、なんとかこの状況から逃れたいと、お金を払えば何とかなるかもしれないと。まあ先程言ったように、結果的には額が合わずに、連絡を絶つことになってしまったんですよ。そして、1月11日を迎えることになってしまったんですけど。そういった謝罪文を送っております。その返信です。『貴殿よりの書面確認しました。慰謝料についてですが、貴殿が定年まで負うべき責任は被害者がリスクを共有するものではありません。貴殿個人が一人で返済リスクを』非常に危ないお金だと認識していることですね。『負うべき正常な慰謝料のため、分割支払いは許容できません。したがって、一括での支払いを要求します。銀行ないしは、親族等から融資により本年12月25日を支払期限とし、被害者両名に対し指定口座への振込を完了することを条件に回答案を受け入れることやむなしと判断します。上記修正案をご賢察の上、受諾の可否につきご連絡ください。修正案を受諾し、振込が完了した後、貴殿との面談を考慮します。これ以上貴殿が貴殿の家族や周囲の人間を不幸に陥れることなきよう賢明な判断をされること祈っています』。ま、こういうことが書いてあります。で、まあ、あの、ま、私が思うに(⑯)、本当に、この12月1日、まず女性に対する腹立たしい気持ち、あの、なぜそういうメールを送りながら、こういう行動に出たのか、というのと、後は、12月1日にやっぱりあの、報告して欲しかった。この職員にもですね、理事長に対しても、なんらかのこういったドロドロした方向に進まずに済んだんじゃないかなと、非常に残念で仕方がありません。

しかし、あの、ま、先程も申し上げましたとおり、調査委員会の内容や懲罰委員会の内容は私は語ることはできません。誓約書を書いておりますから(⑰)ただ私もその調査委員会の前に、弁護士の友達が何人かおりますので、聞きましたところ、こういった場合は、まあ40日間、30日間に渡る、まあ双方の言い分が違う場合は、どこかに矛盾がないかということ、そこの働いている多くのスタッフに意見を聴取し、矛盾点を、まあ、探し、要するに双方の言い分が違うわけですから、そういった中で判断していくことになるであろうとそういった調査委員会が行われたんだと思います(⑱)。そしてその結果、まあ先程言いましたように、懲戒解雇ということにはなりませんでした。結果としては、合意があったと判断されたということになります。

これ以上は、まあ、あれなんですけど、男性理事長もその時点では騙されていたんだと思います(⑲)。そのメールの文章を見るとですね、本当に怒って、自分ところの職員が、そういった目に遭ったという怒りで、こういう文章になったと思うんですけど、ただ少し、私もハンターにいっぱい叩かれました。調査委員会の前にあの、調査委員会がある前にですね、勝手に、まあ、誘導するような発言をしていたということを医師会にも連絡をいただきましたし、ハンターでも書かれてしまいましたけども、一つだけですね、ちょっと、まあ、理事長が1月17日に医師会に送った文書の所です。非常にその1,2ページ目はですね、あの、正義に溢れてたんですけど、3ページ目にちょっと気になるところがあります。これはあの、ごめんなさい、書類はあの、配っておりませんので、読み上げさせてもらいます。『鹿児島県医師会に新型コロナウィルス対策事業を委託した鹿児島県の一部幹部も本件の概要をすでに把握しております』。ええと、医師会館に来られた6日後にはもう県のスタッフ、一般の市民が知っていますよと。そして、その県の職員たちは、幹部の職員たちは、『当該男性職員に対し、鹿児島県医師会がどのような対処をするのか注視しています』。まあ要は、処分して欲しいという、まあ、アピールです。男性職員をですね。そして、そのような状況をなんらかの方法で、鹿児島県医師会の会員や県民の方々にも知っていただく必要があるのではないかと検討しているところです。これは南日本新聞とか、NHKの報道とか、ハンターとかそういう報道のことが念頭にあるのかなと。非常にこういう事態になったことは残念で仕方がないと思っています

まあ、あの、調査委員会の結果、懲罰委員会の結果は先程申し上げた通り語ることはできませんが(⑳)、私がこの報告することは以上です。

■欺瞞の証明

これほどお粗末な内容の報告を、鹿児島県医師会の代議員や役員は、真に受けたのだろうか?納得したのだとすれば、それは医師会の役員に良識がないか、あるいはただの「無責任」によるものかのどちらかだ。なぜなら、大西副会長の話には、整合性も裏付けもないからだ。

例えば、大西副会長が発言冒頭で持ち出したハンターの配信記事に出てきた鹿児島県への「報告書」についての見解である①「調査委員会の報告書、医師会と弁護士事務所に二つだけ、医師会の場合は、二重に鍵を掛けて保管していたもの、弁護士事務所にしかありません」だが、これは完全な事実誤認。言いがかりも甚だしいと言わざるを得ない。ハンターが記事の中で示したのは県医師会が9月27日に塩田康一県知事に提出した「報告書」。大西副会長は《医師会と弁護士事務所に二つだけ》としているが、この文書は鹿児島県への情報公開請求で入手したもので、医師会関係者から出たわけではない。こうした虚偽を大勢の前で披露するということをもってしても、県医師会幹部の話はまったく信用できない。

次に発言内容の曖昧さ。(②)職員Aの自殺企図、妻の精神科通院」では男性職員が自殺する可能性があったとし、その妻が精神科に通院したと述べておきながら、次には(⑤)彼はそれ以降何をしていたかというと、精神科へ入院、そして両親と妻に告白」となり、妻ではなく男性職員本人が精神科に入院したことになっている。男性職員もその夫人も精神科にかかったと言いたいのだろうが、キーワードは前後2度も出てきた「自殺」と「精神科」のようで、意図的に男性職員の被害を印象付けようとした格好だ。

曖昧さが際立つのが(④)のX理事長の医療機関で初めて性交渉を持った。えー、ここはちょっと弁護士さんの報告とちょっと違うんで、僕がこう発言したと思うんですけど、えっと、ここはちょっと定かではない」。大西副会長は「定かではない」と断っているが、実は発言に出てきた9月16日に「X理事長の医療機関で初めて性交渉を持った」は男性職員の記憶違い。刑事事件になっている事案だというのに、こんないい加減な内容を大勢の前で披露する神経は理解できない。

大西副会長の報告に信憑性が感じられないのは、裏付けのある内容を発信しなければならないはずの「報告」に、曖昧であることを宣言する言葉が頻出することだ。(③)「かなり熱心にしていたと思っていた(⑧)「すごく熱心だったと思います(⑨)「全ての始まりだと思っています」、(⑩)「まあこれは多分、恐らく」、(⑪)「恐らく、本当にそう思ったんだと思います」、(⑫)「あの女性の言った通りだと思ったんだと思います」、(⑬)「12月1日から5日までを過ごしたのかなと思っております」、(⑭)「そのときかと思いますが」、(⑮)「実際これが自主的と言えるのかなと私は思うんです」、(⑯)「で、まあ、あの、ま、私が思うに」、(⑱)「調査委員会が行われたんだと思います」、(⑲)「男性理事長もその時点では騙されていたんだと思います」――これは、大西氏の話した内容が具体的な事実だけを挙げての「報告」などではなく、大西氏個人の思い込みや想像、または感想だった証(あかし)だろう。

(⑤)職員Aは300万円ぐらいずつ●●●●●払えば、この状況から逃れられると考えて、X理事長とのやり取りをしたんですけれども、要求されている金額が桁違いと分かったため、支払いは無理と思い、12月5日以降X理事長との連絡を絶った」――いずれ配信記事の中で明らかにするが、これは実際のやり取りとはかなり違うもの。“X理事長が過大な要求をした”と印象付けるため、真相を捻じ曲げているのは確かだ。

大西副会長は、興奮したのか、自己弁護に懸命になり過ぎたのか、自己矛盾に気付いていない。同氏は報告の中で、(⑦)この調査委員会に関しましては、女性の供述を得るためには、えー、委員はその内容を語ることは決していけないという誓約書を書かされました」、(⑰)しかし、あの、ま、先程も申し上げましたとおり、調査委員会の内容や懲罰委員会の内容は私は語ることはできません。誓約書を書いておりますから」、(⑳)まあ、あの、調査委員会の結果、懲罰委員会の結果は先程申し上げた通り語ることはできませんが」と、“調査委員会の内容は明かせない”と3度も明言している。だが、この会議で同氏が語ったのは、まさに調査委員会のメンバーでなければ知り得ない内容だ。しかも、個人情報である男性職員と性被害を訴えている女性の雇用主である医療機関の理事長が交わしたLINEのやり取りまで暴露するという非常識。医師会役員が、堂々と「誓約書」に背くというのだから開いた口が塞がらない。自分がやっていることが理解できていない人間の主張が、まともであるわけがない。

大西副会長は、強制性交の告訴状が提出・受理され、警察が捜査中の事件であるにもかかわらず、(⑲)男性理事長もその時点では騙されていたんだと思います」と断言している。これは、被害を訴えている女性を“噓つき”だと言ったも同然。「合意に基づく性行為」を喧伝して女性の人権を踏みにじってきた医師会幹部が、別の方向から女性の人権を蹂躙した形になっている。

世界中が「女性の人権」を守ろうという方向で動いている今日、刑事捜査の素人が、性被害を受けたという女性の訴えを無視した挙句、「噓つき」のレッテルまで貼ることが許されるのか――?鹿児島県医師会の幹部たちは、容認どころか、それを推進しているのだから悪質極まりない。

■報告されない「不都合な真実」

大西副会長の事件報告が、根拠に乏しい身勝手な推測に基づくものであることは明らかだ。だが、最大の問題は、男性職員が複数の医師会女性職員及びコロナ療養施設の女性看護師に対し常習的にセクハラ・パワハラを行っていたことや、県から文書による厳重注意のほかに口頭で《適切な対応をとるといった姿勢を感じられなかった》、《具体的な調査においても、関係者からの聞き取りをする前から「複数回あった」、「強制であったかどうか」との発言があるなど予断を持って調査が進められた》などと異例の厳しさで指摘されたことを隠したことだ。県は大西氏個人についても、「問題のある発言をした理事(*大西氏のこと)について、調査委員から外すように相手側から要望があっても、調査委員会の委員のまま調査を終えている」として非難していたが、報告ではこの点についても一切触れられていない。「不都合な真実」は知らせず、自己弁護に終始した医師会副会長の姿勢は、卑劣と言うしかない。「薩摩隼人」が聴いて呆れる。

大西副会長や池田会長は、昨年1月の事件発覚以来、一貫して「合意に基づく性行為」を主張し、男性職員を庇い続けてきた。池田会長は昨年2月10日、被害を訴えている女性の話を確認もせず、「性交渉が複数回だから合意があった」と決めつけ、県庁に出向いて事件の矮小化を画策。当時常任理事だった大西氏も同月22日、郡市医師会長連絡協議会で池田氏の「合意論」に追従する発言を行っていたことが分かっている。

公費を投入して開設されている新型コロナの療養施設で医師会が派遣した職員が、患者そっちのけで“わいせつ行為”を行っていたという事実については反省の色をみせず、コントロール可能な人間だけで固めた調査委員会でお手盛りの議論。挙句、県に提出した調査報告書には、男性職員による常習的なハラスメントの実態など「不都合な真実」は何一つ記載せず、「情状酌量の上、停職3か月」というふざけた処分結果でお茶を濁した。まともな公益社団法人のやることとは思えない。

大西副会長が報告の中で、自殺が懸念されたとして気の毒がった男性職員は、組織内部の厳しい視線を浴びて昨年10月末に県医師会を退職(既報6)。現在は県医師会の女性役員が運営する施設で働いているという。たまたま鹿児島市周辺で別の取材を行っていたハンターの記者が出勤途中だったとみられる男性職員に遭遇したが、コンビニに車を入れて“たばこ”をふかすという余裕の行動だった。

一方、被害を訴えている女性は、事件から1年以上経った現在も男性職員の行為を思い出しては苦しむ毎日で、傷が癒える時期がいつになるのか見通せない状態だという。

鹿児島県医師会に「良識」はないのか?

 

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